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学生活動  2025.08.16

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愛工大生 暑さ飛ばす一杯 岩屋堂公園 瀬戸市

ドリンクを注文したお年寄り(右)と話す愛知工業大の学生たち=瀬戸市岩屋町で

ドリンクを注文したお年寄り(右)と話す愛知工業大の学生たち=瀬戸市岩屋町で

 浮輪やゴーグル、水鉄砲を手に、親子連れが森の奥へ。行き先は瀬戸市岩屋町の岩屋堂公園を流れる鳥原川の水遊び場だ。街中より少しひんやりした風が吹く中、セミの声に混じって、水の冷たさを満喫する子どもたちの歓声が響く。

 ここのにぎわいに一役買うのが、愛知工業大(豊田市)でまちづくりを学ぶ建築学科の学生たち。川沿いにたたずむカフェ「イロンデル」を2022年から運営している。

 店舗は元うどん店「つばめ屋」の古い木造2階建てを活用した。建築設計や展示企画を手がける「DERO」(千種区)が建物を借り、カウンターを設けてカフェに改装。地域活性化に学生の力を貸してほしいと、愛工大の益尾孝祐准教授の研究室に声をかけた。イロンデルはフランス語でつばめを意味する。

 メニューは学生が考え、毎年変わる。地元の専門店から豆を取り寄せるコーヒーは、注文を受けてから1杯ずつひく。通行人に「こんにちは」と声をかけ、冷たい飲み物を手に川辺を歩いて店をPRすることも。来年も大学院生としてカフェに携わる予定の4年生秋江菜央(なお)さん(22)は「地域の人と話したり、お客さんに研究室を紹介したりするのは新鮮で、すごく楽しい」と目を輝かせる。

 当初のカフェ営業に学生として関わり、現在はDEROの社員として見守る藤木由子さん(25)は「岩屋堂は自然豊かで四季を感じられる、今後もずっとあってほしい場所。地元から『学生のおかげで明るくなってうれしい』という声をもらう」とほほ笑む。

 地元商店主らでつくる岩屋堂観光協会の会長江尻俊男さん(74)は「子どものころはすれ違うのも大変なくらい、人出が多かった」と懐かしむ。学生たちの活動に「助かります。喜んで来てもらえる場所になったらいい」と目を細めた。(鳥居彩子)

(2025年8月16日 中日新聞朝刊市民版より)
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