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学生活動  2018.08.16

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自転車で集めた被災地の「今」 豊橋⇔東北 1746キロの道のり 名古屋外大の山本さん

被災地までの道のりを自転車で往復した山本さん=豊橋市今橋町の豊橋公園で

被災地までの道のりを自転車で往復した山本さん=豊橋市今橋町の豊橋公園で

 名古屋外国語大2年の山本堅氏(けんし)さん(20)=豊橋市弥生町=が自転車にまたがり、地元の豊橋から、東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県気仙沼市まで、半月かけて往復した。走行距離は1746キロ。被災者が寄せた希望のメッセージを、スケッチブックに集めて持ち帰ってきた。(高橋雪花)

 15日、真っ黒に日焼けした山本さんが、出発地点の豊橋公園に到着した。自転車の後ろに大きな荷物。ぶら下がった黄色い看板には、手書きで「あれから7年 被災地の現状(イマ)を伝えます」とある。

 高校時代に3度、ボランティアで東北を訪れた。被災地が少しずつ前に進む一方、ニュースでは暗い話題が多いことが気になった。「支援が結果にどうつながっているのか分かれば、皆『支援して良かった』と思えるはず」。昨年、趣味の自転車で熊本地震の被災地まで走破したこともあり、1日に豊橋をたった。

 猛暑の道中、肌からは塩が吹いた。福島県の原発周辺では、交通規制で通れない道も。それでも愛車をこぎ続け、出会った被災者に「東北の花」と名付けたスケッチブックを手渡し、震災後に新たにできるようになったことを書いてもらった。「笑顔が増えた」「当時2歳の娘が今、社会の授業で震災を学んでいます」−。少しずつ希望のかけらが集まった。

 そして7日、気仙沼市に。津波で家が流された男性からは、当時世界中から訪れたボランティアに助けられた経験から「誰に感謝を伝えれば良いのか分からなかった。機会をつくってくれてありがとう」と言われた。

 帰りがけ、被災者から「頼んだぞ」と何度も声をかけられた。当初、支援者のためにメッセージを集めていた山本さんは、被災者から大切な思いを託されたのだと気付いた。「重みが倍になった。やりきらないと」とペダルを踏み締めた。

 休憩や信号待ちの間に声をかけてくれた人にメッセージを紹介した。福島県相馬市の海水浴場が再開したことなど、被災地の現状に「知らなかった」と驚きの声が上がった。

 今後、見聞きしたことや集めたメッセージを、会員制交流サイト(SNS)や講演を通して伝えるつもりだ。山本さんは「現地に行かないと分からないことがある。現状を知りつつ、支援が実っていることを実感し、『次も』とモチベーションにしてほしい」と語った。

(2018年8月16日 中日新聞朝刊県内版より)

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