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スポーツ 2018.06.15
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向田 志高く レスリング 全日本選抜開幕
世界選手権(10月・ブダペスト)代表選考会を兼ねた全日本選抜選手権は14日、東京・駒沢体育館で開幕して男女計8階級が行われ、女子は55キロ級で2016年世界選手権女王の向田真優(至学館大)が昨年の全日本選手権に続いて優勝して日本協会の選考基準を満たし、72キロ級の松雪成葉(至学館大)とともに代表入りを果たした。向田は一昨年、昨年の53キロ級に続く3度目の優勝。
男子はグレコローマンスタイル130キロ級で園田新(ALSOK)が5連覇。グレコ87キロ級で角雅人、フリースタイル61キロ級で小柳和也(ともに自衛隊)が勝ち、いずれも代表入りを決めた。グレコ63キロ級は遠藤功章、フリーの70キロ級は基山仁太郎(ともに日体大)、92キロ級は松本篤史(警視庁)が制し、7月に全日本選手権覇者と世界選手権代表を争うプレーオフに臨む。
■女子55キロ級 元世界女王 反省忘れず
至学館大の選手たちが陣取る客席からは、普段はひときわ大きな声援が起こる。ただし同門対決となれば別。厳粛ささえ漂った55キロ級決勝のマットで、勝ち名乗りを受けた向田は「いつも一緒に練習をやっている相手。戦いにくさはあった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
前半、首相撲の状態から瞬時に腰を落とすと、五十嵐彩季の懐に飛び込んだ。鮮やかなタックルを決めると、続けざまに2度のローリング。7−0で迎えた後半も2点を加えた。無失点の貫禄勝ちだった。
ただ、2年前の世界女王は満面の笑みとはいかない。テクニカルフォールとなる10点差まで、あと1点が遠い。得意のタックルも「同じ相手に同じタックルでは返されるかもと不安があった」と後半は鳴りをひそめた。
決勝で向田のセコンドについた五輪3連覇の吉田沙保里も「強くなってきている」と成長を認める。ただし「あと1点を取り切る力をつけないといけない」と注文を付けることを忘れない。
銀メダルに終わった昨年の世界選手権も敗因はそこにあった。決勝は前半で大きくリードしながら、攻めきれずにひっくり返された。「気持ちの弱さがある」と、向田自身も課題は明白。乗り越えた先に、東京五輪の頂点が待っている。(多園尚樹)
(2018年6月15日 中日新聞朝刊22面より)
男子はグレコローマンスタイル130キロ級で園田新(ALSOK)が5連覇。グレコ87キロ級で角雅人、フリースタイル61キロ級で小柳和也(ともに自衛隊)が勝ち、いずれも代表入りを決めた。グレコ63キロ級は遠藤功章、フリーの70キロ級は基山仁太郎(ともに日体大)、92キロ級は松本篤史(警視庁)が制し、7月に全日本選手権覇者と世界選手権代表を争うプレーオフに臨む。
■女子55キロ級 元世界女王 反省忘れず
至学館大の選手たちが陣取る客席からは、普段はひときわ大きな声援が起こる。ただし同門対決となれば別。厳粛ささえ漂った55キロ級決勝のマットで、勝ち名乗りを受けた向田は「いつも一緒に練習をやっている相手。戦いにくさはあった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
前半、首相撲の状態から瞬時に腰を落とすと、五十嵐彩季の懐に飛び込んだ。鮮やかなタックルを決めると、続けざまに2度のローリング。7−0で迎えた後半も2点を加えた。無失点の貫禄勝ちだった。
ただ、2年前の世界女王は満面の笑みとはいかない。テクニカルフォールとなる10点差まで、あと1点が遠い。得意のタックルも「同じ相手に同じタックルでは返されるかもと不安があった」と後半は鳴りをひそめた。
決勝で向田のセコンドについた五輪3連覇の吉田沙保里も「強くなってきている」と成長を認める。ただし「あと1点を取り切る力をつけないといけない」と注文を付けることを忘れない。
銀メダルに終わった昨年の世界選手権も敗因はそこにあった。決勝は前半で大きくリードしながら、攻めきれずにひっくり返された。「気持ちの弱さがある」と、向田自身も課題は明白。乗り越えた先に、東京五輪の頂点が待っている。(多園尚樹)
(2018年6月15日 中日新聞朝刊22面より)