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お知らせ  2018.04.21

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収集カメラ 生きた教材に 岡崎出身・竹内さん寄贈 曲折経て名古屋学芸大へ

竹内さんのカメラコレクションを梱包する名古屋学芸大のスタッフ=東栄町本郷の花祭会館で

竹内さんのカメラコレクションを梱包する名古屋学芸大のスタッフ=東栄町本郷の花祭会館で

 岡崎市出身の風景写真家竹内敏信さん(75)=東京都新宿区=のカメラコレクションが名古屋学芸大(日進市)へ寄贈されることになり、保管場所の東栄町本郷、花祭会館で20日から梱包(こんぽう)作業が始まった。もともとは東栄町が寄贈を受けたが、町長の交代で宙に浮いた状態が続いていた。(鈴木泰彦)

 コレクションは、カメラとレンズ、付属品を合わせ約1800点。日本に1台しかないという六桜社の手提げ暗箱や初期のライカ、コンタックスなど貴重な機種も多い。

 竹内さんは伝統芸能「花祭り」の取材で東栄町に通い、地元と親交を深めた。2013年2月、コレクションを町に寄付し、当時の尾林克時町長(68)は展示施設の整備構想を打ち出していた。

 しかし、15年4月の町長選で尾林氏が落選。構想は白紙化し、コレクションは宙に浮いた。「インターネットで譲渡希望者を募り、処分すべきでは」との意見が町議会で持ち上がり、町も譲渡先の公募を検討したいきさつがある。

 竹内さんは17年8月、町から所有権を返還してもらい、「次の寄贈先が見つかるまで」との条件で花祭会館での保管を町に依頼していた。これを知った名古屋学芸大が竹内さんに譲渡を申請し、同年11月、寄贈の契約書を締結した。

 同大メディア造形学部には映像メディア学科があり、乾板からフィルム、デジタルまで映像記録の変遷を幅広く学ぶ。小島一彦・同大広報参与(66)は「コレクションは1世紀にわたる代表的な機種を網羅している。デジカメ全盛の現在、学生にとって生きた教材になる」と話す。

 学生の教材として活用するほか、「竹内敏信カメラコレクション記念室」を設けオープンキャンパスなどのイベントで一般に公開。社会人向けのフィルムカメラ教室やコンテストも企画するという。

 梱包作業には同大スタッフや町職員ら10人が当たり、緩衝材で包んだカメラを1台ずつ段ボール箱に納めた。5月中旬に搬出する。

 竹内さんは、4年前から脳内出血で闘病中。代理人を通し「落ち着き先が決まり、ほっとしている。学生の教育に役立てていただければうれしい」とのコメントを寄せた。

(2018年4月21日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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