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2017.09.30

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中小インターン活発 企業も発奮 求ム就活生 社長の右腕、セミナー企画…最前線体験

 大学生のインターンシップ(就業体験)の受け入れが、中小企業で活発になっている。学生にとっては経営者と直接交流できたり、ビジネスの最前線を体験できたりと、大企業では体験できない魅力があるようだ。人材確保に苦労する中小企業が貴重な新卒者を採用したケースも出ている。(石原猛)

 名古屋市中区のテント製造販売「丸八テント商会」は5年前から、半年間の就業体験を受け入れている。条件は「社長の右腕として働くこと」と佐藤均社長。事業の中核業務を担わせていて、「やるからにはリアルなビジネスの現場を知ってもらいたかった」と説明する。

 従業員15人ほどの規模だが、昨年と今年、元インターン生が2人ずつ入社した。就業体験1期生の丹羽亜紗実さん(26)は、自動車メーカー系列の大手企業から今春に転職した。

 大学2〜3年時の就業体験では、中国・上海の商談会に社長と参加して製品を売り込み、新商品の開発まで手掛けた。その後は後輩の就業体験の指導を手伝い、就職後も佐藤社長と交流を続けていた。転職した理由を「アイデアを実現するまでのスピード感が、大企業にはない魅力だと感じた」と振り返る。

 同市名東区の根本景子税理士事務所も2年前から、半年単位の就業体験を受け入れている。学生たちは、経営に悩みを抱える顧客の相談に若者の目線で応じたり、事務所として初の相談セミナーを企画したりした。

 愛知中小企業家同友会では1998年から、夏場の就業体験を実施しており、今年は過去最多の66社が参加した。20校の学生たち133人が、製造や建設、サービス業などの職場を2週間体験した。担当者は「大手企業のように青田買いの場には考えていない。経営者とじかに話すことで働き方を考える機会にしてほしい」と説明している。

 同市南区の板金加工業「鶴田工業所」では、愛知みずほ大の友岡輝貴さん(20)が、プレス加工やコンピューターでの図面作成に取り組んだ。人手不足が深刻化している中、学生の大手企業志向は根強く、中小企業が大学の新卒者を採用することは難しくなっている。鶴田修一社長は「ものづくりの現場を通じ、中小企業の魅力を感じてもらえたら」と話す。

 就業体験した企業に就職する場合、「学生と経営者が相互理解を深めているので、短期間での離職を防げる」との見方もある。

(2017年9月30日 中日新聞朝刊7面より)

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