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中日新聞掲載の大学記事

2017.05.27

名城公園東 大学の街に 名古屋造形大 国有地取得へ意欲

 名古屋造形大(愛知県小牧市)を運営する学校法人「同朋学園」が、同大を移転するため、名城公園東側にある名古屋市北区の国有地の取得を目指していることがわかった。この土地の南側には愛知学院大が名城公園キャンパスを3年前に開設し、さらに拡張計画を進めている。造形大の移転が実現すれば名城公園東側地域の「大学の街」への変貌が加速しそうだ。(坪井千隼)

 国有地は国家公務員宿舎跡地で、市営地下鉄名城公園駅の真上にある約2万平方メートル。名古屋造形大の小林亮介学長が中日新聞の取材に対し、「キャンパスを設置するのに素晴らしい土地。公募売却が行われれば、応募する」と明らかにした。増加傾向にある社会人学生の退社後の通学が容易になるなど学生の利便性を向上し、大学間競争を有利に進める狙いがあるという。

 同大は日本画や洋画、彫刻など12コースからなる造形学部と大学院造形研究科があり、計1000人の学生が通う。名古屋市内で地域と連携したアートイベントなどを以前から企画しており、小林学長は「移転が実現したら、地域と連携した取り組みをさらに充実させ、地域貢献したい」とも語った。

 国有地は、東海財務局が近く、学校法人や社会福祉法人など公共性のある団体を優先して、公募売却する見通し。現在のところ同朋学園以外に取得の意向を明らかにしている団体はないが、公募手続きが始まれば、他の希望者が現れる可能性もある。

 南側にある2万3000平方メートルの敷地も、元は国家公務員宿舎跡地の国有地だったが、学校法人愛知学院が取得し、2014年に愛知学院大名城公園キャンパスを開設した。同大はさらに隣接する8000平方メートルの国有地も取得する方針。現在ある経済、経営、商の3学部に加え、法学部を日進キャンパスから移設し、学生数5000人規模に拡張する考えだ。

 名城公園キャンパス開設以来、学生が地元商店街振興策として、空き店舗を利用して期間限定の店を開いたり、地元夏祭りの運営に加わったりするなど、地域連携に取り組み、地元から歓迎されている。昨年12月には、地元の名古屋市北区全19学区の区政協力委員長が連名で、大学など文教施設のさらなる誘致を求める要望書を市に提出した。要望書を取りまとめた辻学区区政協力委員長の中山克宏さん(74)は「大学ができ、若い人たちが来ることは、地域活性化につながる」と期待を語った。

■地域活性化に期待 中村紘子・OKB総研主任研究員の話

 大学ができれば、若者の人口が増え地域活性化につながる。さらに近年では、教員や学生が研究室にとどまるのではなく、積極的に外に出ていって、町づくりや高齢化など地域の課題解決に動く流れが、全国的に加速している。地域と大学が連携を深めることは、大学と地域がともに魅力を向上させる、相乗効果が期待できる。

(2017年5月27日 中日新聞朝刊1面より)

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