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中日新聞掲載の大学記事

2016.09.26

音色豊か スクエアピアノ 中京大フィル演奏会で初披露

 1875(明治8)年に米国で製造されたスクエアピアノが25日、名古屋市昭和区の中京大で演奏され、300人がよみがえった140年前の音色に聴き入った。

 スクエアピアノは18、19世紀にヨーロッパの宮廷や米国で盛んに演奏されたが、20世紀に入るとアップライトピアノの台頭などで姿を消していった。名称は四角い形にちなむ。

 今回演奏されたのは、米国在住のピアニスト池宮正信さんが公民館の倉庫で発見したもので、2007年に中京大が譲り受けた。スタインウェイ社製で、演奏可能なスクエアピアノとしては日本で3番目に古いという。

 これまでは大学などで展示してきたが、豊田市出身の姉妹でピアノとバイオリンのデュオ寺本みなみさん(35)とみずほさん(32)を迎えた中京大フィルハーモニー交響楽団のこの日の演奏会で、音色を初披露することになった。

 宮廷やサロンの音楽で知られるショパンとモーツァルトの曲を選び、まろやかな音を奏でた寺本みなみさんは「音の味わいが深くて豊か。演奏が終わってしまうのが寂しいとすら思った」と感激していた。 (立石智保)

(2016年9月26日 中日新聞朝刊県内版より)
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