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中日新聞掲載の大学記事

2015.11.09

書店で絵本読み聞かせ 名古屋女子大短大部 授業で学生派遣

 保育士を目指す名古屋女子大短期大学部(名古屋市瑞穂区)の学生が、書店に来た子ども向けの絵本の読み聞かせに取り組んでいる。幼いころから本に親しむ機会を増やそうと、大学と地域書店が手を結んだ。9日まで読書週間。 (福沢英里)

 名古屋市中区のジュンク堂書店ロフト名古屋店(ナディアパーク内)で、同短大部保育学科1年、近常(ちかつね)夢子さん(18)は、両親とベビーカーで訪れた女の子(1つ)の横の椅子に腰掛けて『うさこちゃんとふがこちゃん』など5冊を読み聞かせた。「うさこちゃんかわいいね」と語り掛けると、女の子がうれしそうに絵本に手を伸ばした。

 短大部保育学科は、母親が語り掛けるような抑揚をつけた「マザリーズ」と呼ばれる読み方など授業で学んだ内容を実践するため、今年5月、同書店ロフト名古屋店と読み聞かせ活動の協定を結んだ。「絵本読み聞かせ隊」の名で各クラスから4人ずつを選び、2カ月に1度、派遣している。

 大勢の子どもを前に読む一般的な読み聞かせ会と違い、書棚に並ぶ絵本から、子どもや親が選んだ本を1対1でゆっくり読むのが特徴。初対面で母親から離れない子、じっと座っていられない子などさまざまだが、どの子もいつしか物語の世界に夢中になっていた。

 企画した保育学科講師の児玉珠美さん(56)は、学生の読み聞かせの様子を見て「保育所などでの用意された実習とは違い、柔軟に対応することが求められる」と狙い通りといった表情だ。

 読み聞かせの普及に取り組む一般財団法人・出版文化産業振興財団(東京)によると、講座を受けたボランティアを全国の書店に派遣する「書店おはなし会」の事例はあるが、授業の一環で、学生が書店で読み聞かせをするのは珍しい。店長の石本秀一さん(50)は「長い目で、本の読者を増やしたい」と、本離れに危機感を抱く書店側も歓迎している。

 今後の読み聞かせは今月22日、来年1月10日のいずれも午後2時から3時、地下1階の児童書売り場で。3月20日は音楽にあわせて大型絵本を読む「読み聞かせライブ」を7階イベントスペースで開く。問い合わせは、ジュンク堂書店ロフト名古屋店=電052(249)5592=へ。

(2015年11月9日 中日新聞夕刊12面より)

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