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中日新聞掲載の大学記事

2015.07.15

戦争体験 後世に 岐阜女子大生 語りを映像で記録、公開へ

 岐阜女子大の学生たちが、戦争体験者の語りを映像に残す取り組みをしている。岐阜市太郎丸のキャンパスで14日、岐阜空襲を経験した宮崎光国さん(82)=岐阜市三田洞=と旧陸軍航空隊の山内佳正さん(91)=同市祈年町=の体験談をビデオカメラに収めた。(木下大資)

 体験者の肉声を記録して後世に残そうと、終戦70年に合わせて同大が企画したプロジェクトの一環。この日は文化創造学部アーカイブ専修などの120人が参加した。

 宮崎さんは「こんなに大勢の前で話すのは初めて」と前置きし、1945年7月9日深夜にあった岐阜空襲の体験を語った。

 自宅の防空壕(ごう)に家族と逃げ込んだが、米軍機による焼夷(しょうい)弾の衝撃で壕が崩れ落ち、火の海と化した街中を逃げた。「焼夷弾は大雨が降るのと同じ音がした」「逃げる間に首のない遺体も見た。人の骨は白いんだなと思った」などと、当時の様子を生々しく語った。

 山内さんは学生だった43年に徴兵検査を受け入隊。幹部候補生になり、陸軍飛行学校では電柱を立てて電線を張る「有線隊」の技術を学んだが、過酷な訓練で体重が6キロ減ったと振り返った。

 学生たちは2人の語りを複数のビデオカメラで撮影。来月の終戦記念日までに編集し、インターネットで公開する予定だ。2年の作山祐香さん(19)は「資料で読むのと、こうして実際に話を聞くのでは伝わり方が違う。同世代に動画を見て学んでもらえたら」と話した。

(2015年7月15日 中日新聞朝刊岐阜県版より)
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