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中日新聞掲載の大学記事

2015.06.01

王者 実感まだ 田中選手会見

 世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級王座決定戦を制し、日本選手最速のプロ5戦目で世界王者となった田中恒成選手(19)=岐阜県多治見市=が試合から一夜明けた31日、愛知県春日井市内で会見した。「王者の実感はない」と話しつつも、念願のチャンピオンベルトをいとおしそうに見つめた。

 名古屋市にある中京大2年生で、同市の畑中ボクシングジムに所属する。「横になると頭が痛い」と、昨夜はほとんど眠らずに姿を現した。右目のまぶたには青あざが残るが、晴れやかな表情でマイクを握った。

 これまで経験したことのない対戦相手の粘りに「世界には強い選手がいると思った」と受け止めた。最速記録の更新には「狙っていなかった。機会を与えてもらっただけ」と周囲に感謝した。身長が伸びており「(最軽量の)ミニマム級を生涯続けることはない」と、将来的には新たな階級への挑戦も示唆した。

 会見会場には中京高校(岐阜県瑞浪市)時代の恩師石原英康さん(39)の姿もあり、試合で履いたシューズを「僕からのプレゼント」と手渡した。石原さんが選手時代、世界戦に挑戦して惜敗したときに使い、譲り受けた宝物だった。石原さんは「彼や彼を支えた人たちに感謝でいっぱい」と涙をこらえながら話した。

(2015年6月1日 中日新聞朝刊26面より)
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