進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2015.04.05

友禅流し 桜の下で 黒川

 名古屋友禅で染めた布ののりを川の水で洗う「友禅流し」が4日、北区辻本通4の黒川であった。満開になった桜の花びらが散って川面に広がり、流れに漂う美しい花柄の反物と競演した。

 北区龍ノ口町の伝統工芸士渡辺芳治さん(64)らが染めた長さ10メートル余りの布8本が、冷たい川の水の中へ。渡辺さんの下で友禅染を学ぶ名古屋学芸大の学生や地元の子どもたちが水に入り、手で優しく表面をこすったり、水の流れにさらしたりした。

 同大デザイン学科3年の高橋美晴さん(20)は「雨を心配していたけれど、桜吹雪が舞う最高の天気。美しい物を大切にする日本の心が感じられた」と満足そうに話した。

 名古屋友禅は、文化振興に努めた尾張藩主徳川宗春(1696〜1764年)の時代に京都から伝来したとされ、現在まで着物や帯をつくるための大切な技術として継承されている。黒川での友禅流しは水質悪化で途絶えていたが、魅力をPRしたいと考えた地元の住民らが1999年にイベントとして復活させた。 (中野祐紀)

(2015年4月5日 中日新聞朝刊市民版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ