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中日新聞掲載の大学記事

2015.04.03

友達づくり 自信オン 名大など 発達障害児支援 ロボ実験へ

 学校などでうまく人間関係が築けない発達障害児らの「友達」となるロボットの開発に名古屋大、名古屋工業大、中京大の人工知能研究グループと岐阜市の団体が乗り出した。子どもがロボットの世話をすることで、心のケアと学習面で相乗効果が期待され、10日から実験が始まる。

 グループは、高齢者向けに開発された市販の会話型ロボットを活用。人工知能を入れて改良し、人間の問いかけに返事をしたり、やりとりを記憶する機能を持たせる計画だ。

 例えば、スタッフが児童とロボットに向け問題を出し、「分からない」と答えるロボットに児童が正解を説明し、ロボットが「すごいねー」とほめるようなやりとりを想定。児童はロボットに教えたり、ほめられたりして自尊心や学習意欲が高まる効果が期待される。

 実験は、岐阜市の発達障害児らの学習塾「ひかりキッズ」で実施。5年かけてロボットに適切な応対を学習させる。塾を運営する一般社団法人「岐阜創発研究会」(柴橋正直代表)によると、自閉症など発達障害のある子どもは学習や人間関係がうまくいかず、自己を否定してひきこもりや自傷行為などをしやすくなる。障害の疑いがある「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちは、公的な支援も受けにくいという。

 名古屋大の吉川大弘准教授は「子どもはひとりひとり違う。多くの子どもを支援できるロボットにしたい」と話す。

(2015年4月3日 中日新聞朝刊30面より)

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