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中日新聞掲載の大学記事

2014.11.23

「人類生存のための科学と精神」テーマ 来月6日講演会「名大レクチャー」

 名古屋市千種区の名古屋大豊田講堂で、12月6日午後1時から開かれる公開講演会「名大レクチャー」(中日新聞社共催)に、ウイルス研究の第一人者、永井美之・理化学研究所新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター長とアダム・スミス研究の大家、水田洋・名大名誉教授が登壇する。テーマは「人類生存のための科学と精神−感染症への挑戦と基本的人権のために−」。

 感染症では現在、エボラ出血熱の問題が挙げられる。永井さんは「有事の際には十分な情報は望めないということを学習した。その一方で対策は待ったなし。いかに速やかに的確な判断をするか」と話す。「発生したから注目されるのではなく、平時でも質の高い研究を継続してできる環境が必要。有事にだけ突然、研究対策資金が増えるという仕組みでは、感染症に強い組織はできない」と指摘する。

 水田さんは戦前、戦中、戦後という時代を生きてきた経験から「人には基本的人権がある。これが研究の出発点だ」と言い切る。戦後、約8カ月捕虜として過ごした島に、オーストラリア軍の本部があった。そこには図書館があって、兵役が拒否できるというパンフレットがおいてあったという。「とても驚いた。当時、すでに人権が確立されていた」と歴史を交えながら、西欧の学問を紹介する。

 申し込みは名大高等研究院のホームページから。はがきやファクスでも受け付ける。入場無料。26日締め切り。(問)同研究院=052(788)6153

▼ながい・よしゆき 1939年8月18日生まれ。岐阜県土岐市出身。名古屋大医学部卒。東京大教授や国立感染症研究所エイズ研究センター長などを歴任。95年中日文化賞。

▼みずた・ひろし 1919年9月3日生まれ。東京都出身。東京商科大(現一橋大)予科入学。49年、名古屋大助教授。教授を経て学部長などを歴任。日本学士院会員。

(2014年11月23日 中日新聞朝刊県内版より)
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