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2009.02.06
宮本亜由美中京大4年 ユニバ引退有終飾る
女子フィギュアスケートの宮本亜由美(22)=中京大=が、ユニバーシアード冬季大会(18−28日・ハルビン=中国)に臨む。
中国・ハルビンで18日開幕
スランプを乗り越え、昨年12月の全日本選手権(長野)で10位の好成績で代表の座を手にした。大学を今春卒業し、4月からは就職が内定している明治安田生命保険に入社へ。学生スポーツの祭典、ユニバーシアードを引退試合と決め、競技生活の有終の美を飾る。
スランプ脱出
長い間、苦しんだが、努力が報われた瞬間だった。昨年暮れの全日本フィギュアスケート選手権。連盟強化選手に選ばれるなど素質を評価されながら、ここ数年低迷が続いた宮本は、3回転ジャンプに安定感が戻るなど見違える演技を見せ、浅田真央(愛知・中京大中京高)ら国内の実力選手が集う大会で、宮本にとって4年ぶりに10位に食い込んだ。ユニバ代表に決まったと吉報が届き、「まさか選ばれるとは思っていなかった。努力をすれば、奇跡が起こるんだなと思った」と喜んだ。
「最後の全日本だったので頑張れた。ユニバーシアードを最後に、引退することになります」。卒業を機にスケート靴を脱ぐと心に決めていたが、ユニバという最高の舞台で最後の花道を飾れる。ハッピーエンドで競技を終えられるのは、スランプの苦しみに負けなかったことが大きい。惰性で滑っていた時期もあったが「やっぱり私にはスケートしかない」と気持ちを入れ直した。高橋大輔(関大大学院)らの指導実績があり、中京大でフィジカルトレーニングを担当するカルロス・コーチと地道に体幹を鍛えた。母の房枝さんや、同じフィギュア選手の妹・明日香(中京大中京高3年)ら家族の精神的な支えもあった。「いい環境で滑ることができた」。苦労や悩みが、今はすべて水に流せる。
「代表は亜由美で良かったね、と言われる演技したい」
4月からは会社員。明治安田生命保険に就職が内定しており、美人スケーターと称される笑顔と練習でつちかったガッツは、営業の現場で発揮することになるが、まずは引退試合であるユニバに集中する。世界で戦う中野友加里(プリンスホテル)や武田奈也(早大)と一緒に日の丸を背負って戦う晴れ舞台。
「ほかに選ばれなかった選手もいる。代表は亜由美で良かったね、と言われる演技を(したい)」。宮本は万感の思いで氷に上がる。 (中谷秀樹)
(2009年2月6日 中日スポーツ11面より)
中国・ハルビンで18日開幕
スランプを乗り越え、昨年12月の全日本選手権(長野)で10位の好成績で代表の座を手にした。大学を今春卒業し、4月からは就職が内定している明治安田生命保険に入社へ。学生スポーツの祭典、ユニバーシアードを引退試合と決め、競技生活の有終の美を飾る。
スランプ脱出
長い間、苦しんだが、努力が報われた瞬間だった。昨年暮れの全日本フィギュアスケート選手権。連盟強化選手に選ばれるなど素質を評価されながら、ここ数年低迷が続いた宮本は、3回転ジャンプに安定感が戻るなど見違える演技を見せ、浅田真央(愛知・中京大中京高)ら国内の実力選手が集う大会で、宮本にとって4年ぶりに10位に食い込んだ。ユニバ代表に決まったと吉報が届き、「まさか選ばれるとは思っていなかった。努力をすれば、奇跡が起こるんだなと思った」と喜んだ。
「最後の全日本だったので頑張れた。ユニバーシアードを最後に、引退することになります」。卒業を機にスケート靴を脱ぐと心に決めていたが、ユニバという最高の舞台で最後の花道を飾れる。ハッピーエンドで競技を終えられるのは、スランプの苦しみに負けなかったことが大きい。惰性で滑っていた時期もあったが「やっぱり私にはスケートしかない」と気持ちを入れ直した。高橋大輔(関大大学院)らの指導実績があり、中京大でフィジカルトレーニングを担当するカルロス・コーチと地道に体幹を鍛えた。母の房枝さんや、同じフィギュア選手の妹・明日香(中京大中京高3年)ら家族の精神的な支えもあった。「いい環境で滑ることができた」。苦労や悩みが、今はすべて水に流せる。
「代表は亜由美で良かったね、と言われる演技したい」
4月からは会社員。明治安田生命保険に就職が内定しており、美人スケーターと称される笑顔と練習でつちかったガッツは、営業の現場で発揮することになるが、まずは引退試合であるユニバに集中する。世界で戦う中野友加里(プリンスホテル)や武田奈也(早大)と一緒に日の丸を背負って戦う晴れ舞台。
「ほかに選ばれなかった選手もいる。代表は亜由美で良かったね、と言われる演技を(したい)」。宮本は万感の思いで氷に上がる。 (中谷秀樹)
(2009年2月6日 中日スポーツ11面より)