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中日新聞掲載の大学記事

2014.06.23

豊田てらこや(豊田市) 次世代担う子ども育成

 「手裏剣投げなど忍者修業の体験をしてもらいたいと思います」。豊田市中心部にある、とよた市民活動センターの会議室。地元の大学生が、夏休みに開く恒例の寺合宿の企画について提案した。
 
 「体験を通して子どもに伝える狙いは?」「安全性は?」。学生の提案に対し、豊田てらこやのメンバーが大人の立場から質問。やりとりを繰り返して企画を練り上げる。
 
 てらこやは、地元の7大学に通う学生らでつくる「学生によるまちづくりの会」と一緒に、クイズ大会などさまざまなイベントを企画、運営している。市内の小学生たちにさまざまな体験を提供し、地元への愛着をもってもらう狙いだ。

 「体験での感動や出会いが人の成長につながる」と副会長の木戸泰彦さん(45)。かつて地域の人たちが担っていた役割の代わりを目指している。
 
 「年齢が近い学生たちの方が身近だし、学びやすいから」と、子どもと直接触れ合う部分は学生に任せ、てらこやのメンバーは資金集めや広報など裏方に徹する。
 
 次世代を担う子どもの育成が主な目的だが、学生にとっても貴重な体験の場だ。まちづくりの会会長の愛知みずほ大3年西銘一貴さん(21)は「学生だけではできないことができ、社会の厳しさも体験できる」と話す。
 
 別の副会長、鈴木貴浩さん(45)は「子どもが学生を見て学ぶように、学生も学び、将来、地域を担う存在になってほしい」と話している。(遠藤健司)

 【メモ】豊田青年会議所のOBらが中心となって2008年に発足。会員は約30人。子どもの居場所づくりの一環で、午前は勉強、午後は遊びを行う「てらっこ塾」も月2回開く。(問)豊田てらこやのEメール=info@toyota-terakoya.com

(2014年6月23日 中日新聞朝刊市民総合版より)
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