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中日新聞掲載の大学記事

2014.06.20

不妊1年以上4人に1人 名市大県内調査 30代後半結婚では60%超

 子どもを望む4人に1人が1年以上妊娠できない不妊を経験し、女性の結婚した年齢が35歳以降では顕著に増加する傾向があることが、名古屋市立大の杉浦真弓教授(生殖医学)らのグループが県内の男女を対象に実施した調査で分かった。

 調査は県の委託を受け、県内の男女1万人に調査票を郵送し、1766人(男性185人、女性1581人)から回答を得た。

 不妊症のカップルは一般的に15%程度とされている。調査では、既婚女性の24.1%が1年以上妊娠できない経験をしていた。女性の結婚した年代別に見ると、20代前半では15.8%だったが、20代後半や30代前半は20%台に。サンプル数が少なくばらつきが考えられるが、30代後半では60%を超えた。

 男性では、18.7%が配偶者やパートナーが1年以上妊娠できない経験をしていた。

 妊娠を先送りしたり、やめたりした経験がある人は全体で20.3%。男性が12.2%だったのに対し、女性は21.2%で2倍ほどの開きが出た。女性が挙げた理由は、20代で経済的理由が1位だったが、30代前半では仕事・学業の忙しさが最も多くなった。

 流産などを繰り返す「不育症」についても聞いたところ、まったく知らないと答えた人は全体で56.9%。女性は54.3%、男性は79.4%で、認知度の低さが目立った。

 杉浦教授は「仕事などを理由に先送りをしていると妊娠が難しくなる。それを知った上で人生設計をして」と注意を促している。(中崎裕)

(2014年6月20日 中日新聞朝刊県内版より)
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