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中日新聞掲載の大学記事

2014.05.31

動物の説明書きを英訳 東山で名大の留学生ら 来月表示へ

 東山動物園(千種区)の自然動物館で、名古屋大理学部生命理学科の留学生や帰国子女の学生が、展示物の説明を英訳する作業を進めている。種名の英語表示はあるが、生態や特徴など詳しい内容は大半が日本語だけ。外国人の来園者にも理解を深めてもらおうと、主に日本固有種の翻訳から始めており、6月には20種分が完成する。(梅田歳晴)

 来園者でにぎわう館内の喧騒(けんそう)から離れたドアの向こう側のバックヤード。マレーシアから昨年10月に来日したリオン・シュヤオさん(20)と、オランダからの帰国子女の羽津理未(まさみ)さん(18)が机に向かって作業している。

 リオンさんは、英訳したオオサンショウウオの説明書きにイラストを描いて色を塗っていく。「すごく上手」と飼育担当の藤谷武史さん(42)。羽津さんは「流れるような分かりやすい英語にしないと」と頭を悩ませながらペンを握る。

 自然動物館には両生類約50種類、爬虫(はちゅう)類70種類を飼育展示している。藤谷さんは「外国人の来園者もよく見掛ける。日本人と同じように生き物について理解を深めてほしい」と話す。

 英訳の取り組みは3月にスタート。名古屋大の学生や研究者が昨年12月、動物園のバックヤード見学に訪れた際、藤谷さんがブルガリア人の見学者から「英語の表示があるといい」と提案されたのがきっかけだった。

 一週間に1日、名大側で募ってもらった留学生や帰国子女ら4人に交代で作業を手伝ってもらっている。これまでに完成したのは、日本固有種のアオダイショウとシマヘビの2つ。下書きまでできたのはオオサンショウウオやアオヘビなど20種類あり、ラミネート加工した上で、6月中に張り出す予定だ。

 学生たちはボランティア。リオンさんは「動物園が好きだし、自分の勉強にもなるから」、羽津さんも「動物園の仕組みを知ることができるし、自分の英語が役に立てばうれしい」と話す。

 藤谷さんは「英訳はなかなか大変な仕事。大助かりです」と感謝している。「英語の説明書きはまだ少ないので、少しずつ増やしていきたい」と今後も地道な作業を続ける。

(2014年5月31日 中日新聞朝刊市民版より)

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