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中日新聞掲載の大学記事

2014.05.24

乾パンでピザ、ケーキ 美浜の日福大 炊き出し訓練

 チーズや野菜が載ったピザに、クリームたっぷりのケーキ−。日本福祉大災害ボランティアセンター(ボラセン)の学生ら20人が22日、美浜町奥田の美浜キャンパスで一風変わった献立で炊き出し訓練をした。材料の主役は備蓄用の乾パン。万一の災害時に活用できるように、作り方の手順を確かめた。(吉岡雅幸)

 東日本大震災後の2011年に結成されたボラセンは、被災地での奉仕作業や地域の減災活動に取り組んでいる。学生と住民で地域の安全対策を話し合う「安全の日」には、非常食で炊き出し訓練をし、参加者に振る舞ってきた。

 今年は賞味期限の迫った備蓄用の乾パンを譲り受け、炊き出しに活用することにした。1995年の阪神大震災発生時、神戸市にいたセンター長の野尻紀恵・社会福祉学部准教授は「冷たい食事だと口にしない人も多く、みんな倒れた家から食材を持ち寄って避難所の学校で調理していた。ある物で料理する技を身に付けておけば、災害時に役立つ」と狙いを説明する。

 メニューを考えたのは、いずれもボラセンのメンバーで社会福祉学部3年の水野恵実さん(20)と岡本紫(ゆかり)さん(20)。インターネットで調べるとグラタンやクッキーなど乾パンを使った調理法が数多くあることが分かり、世代を問わずに食べやすそうなピザと、チーズケーキの一種「ティラミス」を選んだ。

 メンバーらは粉々に砕いた乾パンに牛乳と卵を混ぜ、オーブンで焼いてピザ生地に。チーズや野菜などを載せて再び焼き上げた。ティラミスは砕いた乾パンをコーヒーに浸し、生クリームなどの生地に混ぜ合わせた。

 乾パン料理を食べた学生や住民らは「言われるまで乾パンと分からなかった」「おいしい」と驚いていた。

 岡本さんは「楽しみながら備蓄をしてもらうきっかけになれば」と期待。水野さんは「災害時に喜んでもらえる料理を作るための参考にしたい」と意気込んでいた。

(2014年5月23日 中日新聞朝刊知多版より)

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