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中日新聞掲載の大学記事

2014.05.17

ホタル幼虫の餌「陸貝」調査 相生山で24日 参加者を募る

 初夏にヒメボタルが舞う天白区の相生山緑地で24日、ホタルの幼虫が餌にしているとみられる「陸貝」の生息状況を調べる催しがある。身近な自然と人との関わりを考えようと、市民らでつくる実行委員会が計画。11月に名古屋で開かれる「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」のパートナーシップ事業として、参加者を募っている。(木下大資)

 相生山では5月下旬から6月初めをピークに、ヒメボタルの乱舞が見られる。ヒメボタルの幼虫は肉食で、森の土壌などにすむ陸生の貝類を食べているといわれるが、詳しくは分かっていない。

 陸貝は貝殻の大きさが数ミリの微小なものから、カタツムリ級まで幅広い。貝類が専門の愛知みずほ大(瑞穂区春敲町)講師の川瀬基弘さん(39)によると、国内で約800種類が報告されている。2012年になごや生物多様性センターなどが行った調査では、市内33地点で計41種が確認された。

 今回は、相生山緑地内の5カ所で陸貝を探し、ホタルがよく見られる場所との関連を探る。川瀬さんは「陸貝は落葉樹林で湿り気のある腐葉土に多い。ホタルの生息域とある程度対応しているのでは」と推測する。

 先月下旬に下見を兼ねて行われた事前調査には、地元の親子連れらが参加。ふるいに掛けて落ち葉などを取り除いた土に目を凝らし、きらりと光る陸貝を探した。環境省の凖絶滅危惧種に指定されているヒメカサキビなど珍しい個体も見つかり、子どもたちが歓声を上げた。

 相生山では、04年から緑地を横断する市道弥富相生山線の建設が進められたが、09年に初当選した河村たかし市長が中断させたままになっている。工事再開の是非をめぐる議論では、ヒメボタルへの影響も心配されている。

 陸貝調査を企画した「相生山でESD実行委員会」の古川善嗣さん(63)=南区豊=は「相生山の生き物に学ぶことはESDの実践そのもの。自然と人間の関わり方を考えてもらえたら」と話す。

 24日は午前9時半からと午後1時からの部があり、緑地東側の「相生口」に集合する。雨天の場合は6月1日に延期。参加無料だが事前申し込みが必要。

 問い合わせは古川さん=電052(821)6463=へ。

(2014年5月17日 中日新聞朝刊市民版より)

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