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2014.05.13
植物成長の仲介役 発見 名大 ジベレリン分泌に関与
植物成長ホルモン「ジベレリン」の分泌がコントロールされ、背丈や開花時期が調整されるメカニズムを名古屋大大学院生命農学研究科、吉田英樹さん(24)と同大生物機能開発利用研究センターの上口美弥子准教授らのグループが解明した。農作物の収穫量を増やす新技術につながる可能性がある。米科学誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)で13日に公表する。
植物の細胞内では、ジベレリンの分泌を促すタンパク質が存在し、何らかの“仲介役”を介してDNAと結合することで、ジベレリンの分泌が促されると指摘されていた。同グループは仲介役を突き止めるため、1500種類のタンパク質で反応を検証。その中から「IDD」と呼ばれるタンパク質が仲介していることが分かった。
ジベレリンが多くなりすぎた場合は、分泌を抑制するタンパク質が同様にしてIDDを仲介役としてDNAと結合。分泌を促進、抑制する2種類のタンパク質がバランスを取りながらIDDを介してDNAと結合し、背丈が伸びすぎたり、開花時期がずれたりしないよう調整されている。
上口准教授は「ジベレリンの分泌を調整する3種類のタンパク質を人為的にコントロールできれば、農作物の成長を操ることが可能になる」と話している。
(2014年5月13日 中日新聞朝刊市民総合版より)
植物の細胞内では、ジベレリンの分泌を促すタンパク質が存在し、何らかの“仲介役”を介してDNAと結合することで、ジベレリンの分泌が促されると指摘されていた。同グループは仲介役を突き止めるため、1500種類のタンパク質で反応を検証。その中から「IDD」と呼ばれるタンパク質が仲介していることが分かった。
ジベレリンが多くなりすぎた場合は、分泌を抑制するタンパク質が同様にしてIDDを仲介役としてDNAと結合。分泌を促進、抑制する2種類のタンパク質がバランスを取りながらIDDを介してDNAと結合し、背丈が伸びすぎたり、開花時期がずれたりしないよう調整されている。
上口准教授は「ジベレリンの分泌を調整する3種類のタンパク質を人為的にコントロールできれば、農作物の成長を操ることが可能になる」と話している。
(2014年5月13日 中日新聞朝刊市民総合版より)