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2014.05.12
愛知大学野球 愛院大46度目V
愛院大が3季ぶり46度目の優勝を決めた。延長10回の末に5−4で日本福祉大を破り、勝ち点を4にした。2位の名城大が残る1カードで勝ち点を取れば並ぶが、勝率で上回れないため2週を残して首位が確定した。同時に第63回全日本大学選手権(6月10日開幕・神宮、東京ドーム)への出場権を獲得。開幕日に神宮の第4試合で北海道学生連盟代表と戦う。中京大と対戦した中部大は5−2で連勝し、勝ち点2に伸ばした。
■10回満塁窮地 併殺で劇的幕切れ
窮地が一瞬にして歓喜に変わった。愛院大1点リードで迎えた延長10回裏1死満塁のピンチ。三塁線を襲った鋭いゴロに豊田が飛びつく。「めっちゃ集中していた」。捕球してすぐさま三塁ベースにタッチし、本塁に送球。本塁に向かった三塁走者をタッチして併殺が完成。ナインは抱き合い、飛び跳ねて喜びをかみしめた。
6回に相手のミスに乗じて4点を先行しながら土壇場で追いつかれ、流れを渡しかけた。だが、ナインは「絶対に勝って優勝を決める」とさらに闘志を燃やした。10回、日本福祉大が痛恨の捕逸で勝ち越し。虎の子の1点を何とか守りきった。
■2年目の梶原監督 昨年の悔しさ晴らす
OBの梶原康之監督(25)が就任した昨年、連続優勝が6季で途絶えた。「若い監督になって愛知学院はもうアカンな」。そんな声も聞こえた。背水の思いで返り咲いた王座。「肩の荷が下りた」。目を真っ赤にした若き指揮官は、しばらく言葉に詰まった。
就任1年目は自らの力で選手を勝たせようと気持ちばかりが先走った。頭ごなしに指示するだけではチームはまとまらず、結果が出ないと焦りが増した。「僕が甘かった」。選手を率いる難しさと、己の未熟さを思い知った。
迎えた2年目。もがきながら求めたのは「選手の自律」だった。寮の門限など規則を作り、生活面から徹底。練習では口を出しすぎず、自主性を尊重した。「チームを引っ張るのではなく、緩んだときに引き締めるのが僕の役割」というスタイルも確立した。
指揮官の意志はナインに伝わった。主将の源田は言う。「『信頼しとるから好きなようにやってくれ』と監督が言ってくれているのでありがたい」。何より、得点を取って一番喜んでいる監督の姿が結束を強くする。
再び常勝軍団になるための第一歩は踏み出した。ナインと指揮官は口をそろえる。「俺たちは常に全国で戦うチームだという意識を神宮で再確認する」。それは、リーグ優勝最多46回の誇りでもある。 (小西亮)
■4戦目で初白星 中部大の鈴木大
中部大の右腕・鈴木大が8回途中まで8安打2失点と粘りを見せ、今季4試合目の先発で初白星。「納得はいってないけど、試合はつくれたかな」と振り返った。開幕当初は調子が上がらず、チームも低迷。「手投げになっていた」と反省し、下半身を使った投球を意識したことで制球力を取り戻した。最終週の相手は優勝を決めた愛院大。「全カード勝ち越しだけは阻止したい」と誓った。
▽2回戦(愛院大2勝)
愛院大 0000040001―5
日福大 0000003010―4
(延長10回)
▽2回戦(中部大2勝)
中京大 001000010―2
中部大 00041000x―5
(2014年5月12日 中日スポーツ11面より)
■10回満塁窮地 併殺で劇的幕切れ
窮地が一瞬にして歓喜に変わった。愛院大1点リードで迎えた延長10回裏1死満塁のピンチ。三塁線を襲った鋭いゴロに豊田が飛びつく。「めっちゃ集中していた」。捕球してすぐさま三塁ベースにタッチし、本塁に送球。本塁に向かった三塁走者をタッチして併殺が完成。ナインは抱き合い、飛び跳ねて喜びをかみしめた。
6回に相手のミスに乗じて4点を先行しながら土壇場で追いつかれ、流れを渡しかけた。だが、ナインは「絶対に勝って優勝を決める」とさらに闘志を燃やした。10回、日本福祉大が痛恨の捕逸で勝ち越し。虎の子の1点を何とか守りきった。
■2年目の梶原監督 昨年の悔しさ晴らす
OBの梶原康之監督(25)が就任した昨年、連続優勝が6季で途絶えた。「若い監督になって愛知学院はもうアカンな」。そんな声も聞こえた。背水の思いで返り咲いた王座。「肩の荷が下りた」。目を真っ赤にした若き指揮官は、しばらく言葉に詰まった。
就任1年目は自らの力で選手を勝たせようと気持ちばかりが先走った。頭ごなしに指示するだけではチームはまとまらず、結果が出ないと焦りが増した。「僕が甘かった」。選手を率いる難しさと、己の未熟さを思い知った。
迎えた2年目。もがきながら求めたのは「選手の自律」だった。寮の門限など規則を作り、生活面から徹底。練習では口を出しすぎず、自主性を尊重した。「チームを引っ張るのではなく、緩んだときに引き締めるのが僕の役割」というスタイルも確立した。
指揮官の意志はナインに伝わった。主将の源田は言う。「『信頼しとるから好きなようにやってくれ』と監督が言ってくれているのでありがたい」。何より、得点を取って一番喜んでいる監督の姿が結束を強くする。
再び常勝軍団になるための第一歩は踏み出した。ナインと指揮官は口をそろえる。「俺たちは常に全国で戦うチームだという意識を神宮で再確認する」。それは、リーグ優勝最多46回の誇りでもある。 (小西亮)
■4戦目で初白星 中部大の鈴木大
中部大の右腕・鈴木大が8回途中まで8安打2失点と粘りを見せ、今季4試合目の先発で初白星。「納得はいってないけど、試合はつくれたかな」と振り返った。開幕当初は調子が上がらず、チームも低迷。「手投げになっていた」と反省し、下半身を使った投球を意識したことで制球力を取り戻した。最終週の相手は優勝を決めた愛院大。「全カード勝ち越しだけは阻止したい」と誓った。
▽2回戦(愛院大2勝)
愛院大 0000040001―5
日福大 0000003010―4
(延長10回)
▽2回戦(中部大2勝)
中京大 001000010―2
中部大 00041000x―5
(2014年5月12日 中日スポーツ11面より)