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中日新聞掲載の大学記事

2014.01.18

中京大・女子フェンシング部 次はインカレ制覇

■昨年の全日本選手権エペ団体 奇跡の初V

 中京大の女子フェンシング部が、部員不足に悩みながらも奮闘している。昨年11月末に長崎県で開かれた全日本選手権エペ団体で初の日本一に輝いた。全日本学生選手権(インカレ)10位でぎりぎり出場権を獲得したチームが、奇跡的な下克上となった。

■部員わずか11人で奮闘 「すべてで狙います」

 本人たちも想定外の優勝だ。森下結衣(4年)が全員の思いを代弁するように言った。「優勝の瞬間は信じられませんでした。夢かと思って」。表彰式で選手たちは号泣し、喜びをかみしめた。

 全日本選手権は、学生と社会人を含めた日本一を決める大会。一昨年は出場すらできなかった。尾矢晃監督(50)が「長崎まで交通費もかかるし、辞退しようか」と冗談を飛ばすほど前評判は低かった。

 「どこもうちと当たってラッキー、と考えたのでは。ノーマークだったのが良かった」と指揮官。初戦で慶大に大勝して勢いに乗ると、一気に勝ち進み、決勝で法大を破った。

 女子部員は11人で、強豪大学に比べると半分以下だ。高校時代は全国総体に出場すらできなかった選手も多く、指揮官は「みんな関東の大学に声をかけてもらえなかった。その分、反骨心があります」。大会でも「負け続けたままでいいのか!」と叱咤(しった)し、闘志に火を付けた。

 同部では学業との両立を徹底している。卒業まで124単位が必要で、部で1学期の最低ラインを15単位に設定。春学期に15単位を取得できないと、秋学期での練習参加は禁止となる。厳しい罰則にも思えるが、森下は「当たり前のことなので」とさらりと話す。

 初の日本一になり、ことしは追われる立場にもなる。越野沙織(2年)は「インカレも全日本選手権も、すべてで優勝を狙います」。選手たちはまだまだタイトルに飢えている。
(青山直樹)

 ▼中京大フェンシング部 1960年創部。女子エペ団体は、全日本選手権では98年の4位が最高成績だった。昨年のインカレは10位、一昨年は11位。男子エペ団体は、一昨年の全日本学生王座決定戦で優勝した。部の卒業生には、女子サーブル日本代表の浜田真帆(25)らがいる。

(2014年1月18日 中日スポーツ9面より)
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