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中日新聞掲載の大学記事

2013.10.09

デザイン 名工大生×設計 ブラザー不動産 学生の発想で家づくり

■消費増税対策 商品力・知名度向上狙う

 ブラザーグループのブラザー不動産(名古屋市)は名古屋工業大と連携し、学生の発想力を住宅づくりに生かす取り組みを始めた。学生に住宅をデザインしてもらい、同社が設計、施工して販売。消費税増税後に予想される住宅需要の落ち込みに対応するため、商品力を高め、知名度向上も狙う。(稲田雅文)

 ブラザー不動産が4日、本社で開いた発表会。名工大建築・デザイン工学科の学部3年から修士課程1年までの6人が、同社が名古屋市緑区に建設を予定する住宅のアイデアを提案した。

 2つの区画を一体で設計し、家と家を行き来できる2世帯住宅の「子供でつながる家」や、来客用と家族用の玄関を分けた家など、柔軟な発想が続々。学生が平面図を示して説明すると、同社の設計のプロが「面白いアイデア」「空調はどうするのか」などと感想や質問を口にした。

 ブラザー不動産は1968年の設立。名古屋市内を中心に分譲住宅を販売し、年間約80棟を手掛ける。ブラザーグループの安心感を背景に堅実な家づくりを進めているが、押谷三郎社長は「大手の住宅メーカーと比べ知名度が低く、機能的に造ってきた家も堅いイメージになりがち」と考えていた。

 3月に同社の採用担当者が名工大を訪問したところ、就職担当だった同学科の水谷章夫教授(61)から「学生が実際に建築に携わる機会が少ない」との悩みを聞いたことから、学生の斬新な発想を取り入れようと、住宅の共同建築が決まった。

 同社は今後、提案のあったアイデアを絞り込んで設計に入り、来年2月、学生がデザインした住宅を2区画で売り出す。押谷社長は「消費税が8%になると住宅市場の冷え込みが予想される。学生との連携で、独自性やネームバリューを高めたい」と話す。

 修士課程1年の大岩良平さん(22)は「学生ならではの自由な発想を形にしたい」と意気込む。指導する夏目欣昇(よしのり)助教(43)は「大学の課程では教えきれない部分を学生に伝える良い機会。楽しさを表現した家にしていけたら」と期待を寄せた。

(2013年10月9日 中日新聞朝刊13面より)
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