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中日新聞掲載の大学記事

2013.07.20

細胞分裂の謎 3Dで迫る 名大院グループ、立体画像化 染色体分ける管くっきり

 細胞分裂の際に遺伝情報を持つ染色体(DNA)を2つに分けるタンパク質「微小管」の集まりを、立体的に画像化することに、名古屋大大学院理学研究科の釜崎とも子研究員や五島剛太教授らのグループがヒトの細胞で成功した。米科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」の電子版に発表した。

 微小管は髪の毛の数千分の一の太さの糸状のもの。細胞分裂で、染色体は複製されて対になるが、2つにうまく分けられなければ、核が2つある細胞や核のない細胞ができる。このような異常細胞は、がんの原因となることがある。

 磁気共鳴画像装置(MRI)を使い、体の立体画像をつくる要領で、グループは微小管の集まりを電子顕微鏡で5000枚撮影。これらを組み合わせた立体画像をもとに、微小管1本1本がどのように集まっているのかを、手作業で解析した。

 その結果、微小管同士がつながって枝分かれしていることを発見した。病気治療など応用にはすぐに結びつかないが、細胞分裂の秘密を探る手がかりとなる。

 釜崎研究員は「立体的な画像によって、微小管が作っている集まりの細かな形や、微小管が伸びる仕組みなど、解明できるようになることは多い」と説明している。

(2013年7月20日 中日新聞朝刊34面より)
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