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学生活動 2025.10.24
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失った青春 スクリーンで コロナ禍直撃 中京大生ら映画祭

中日本興業の若手社員(左手前2人)に見守られながら映画祭に向けて話し合う学生たち=中村区で
コロナ禍で失った青春を取り戻そうと、中京大経営学部(昭和区)の学生たちが24日から「青春は、スクリーンの中に。」と題した映画祭を名駅のミッドランドスクエアシネマで開く。大学側と劇場を運営する中日本興業(中村区)による産学連携の成果で、学生が主体となって運営する。メンバーは「世代を問わず青春を追体験して楽しめる。ぜひスクリーンで見て」と来場を呼びかける。(住彩子)
学生たちが大学内でアンケートして選んだ、いずれも青春がテーマの「君に届け」(2010年)「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」(17年)「君の膵臓をたべたい」(同)を日替わり上映する。26日の上映前には、作品にちなんで南山大応援団チアリーダー部のパフォーマンス映像を流すほか、クイズ大会を催して場を盛り上げる。
若者の考え方を知り、劇場に呼び込みたい会社側と、学生の進路選択などで企業と協働したい大学側の思惑が一致し、両者の連携が4月に始まった。今回の取り組みには、経営学部の中村雅章教授のゼミ生のうち、映画に関心のある学生6人とサポート役の若手社員が参加。企業の仕組みから、映画館運営のノウハウまでを学んできた。
若者に劇場へ足を運んでもらうきっかけづくりをと、学生たちから映画祭の構想が持ち上がったのは夏以降のこと。3年の鈴木嵯彩さん(21)は「私たちの世代は、行事も部活も思うようにできないまま高校卒業を迎えた後悔がある。学生らしいアイデアの映画祭だと思う」と話す。
当初希望した別のチアリーディングチームから生出演を断られるなど、壁にぶつかりながらの準備作業。2年の服田(はった)悠吾さん(20)は「ポスターや料金を決めるだけでも大変。今後の糧になる」と振り返った。そんな学生たちに手を差し伸べた入社5年目の東山将樹さん(27)は「みんなの熱い思いを感じてきた。実際に自分たちで動いた経験を社会に出たときに生かしてほしい」と話す。
最大の課題は集客。学生たちは交流サイト(SNS)でPRしたり、劇場内でチラシ配りをしたり、前売り券をこつこつ手売りしたりと努力を続けるが、同世代に振り向いてもらうための苦労を実感したとの声も上がる。ようやく開幕にこぎ着け、鈴木さんは「劇場でしか経験できないことを感じてもらえたら」とにぎわいに期待する。映画祭は30日まで。一般2千円。スケジュールの詳細は劇場ホームページで。
(2025年10月24日 中日新聞朝刊市民版より)