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中日新聞掲載の大学記事

2013.05.17

災害危険度 地図で確認 名大などソフト開発

 地震や豪雨などの災害に備え、自分が住む土地がどのぐらい危険かを表示するコンピューターソフト「減災まちづくり情報システム」を、名古屋市の外郭団体名古屋都市センターと名古屋大減災連携研究センターが合同で開発した。現在の地図と、昔の地図や南海トラフ巨大地震の震度分布図などを画面上で照らし合わせることができる。

■名古屋周辺 震度や浸水 南海トラフも想定

 対象は、名古屋市とその周辺。大正時代以降の5種類の年代ごとの地図のほか、震度分布図、豪雨時の浸水想定図、標高図、航空写真などを見比べることができる。例えば、自宅のある場所が大正時代に池だったのか、畑だったのか、森だったのかなどを知ることができ、地盤の強さを推測できる。愛知県が南海トラフ巨大地震の津波被害予想をまとめれば、その予想図も収録する予定。

 東日本大震災が発生した2011年から製作を進めてきた。地図などの資料を集め、比較しやすいように同じサイズで画面上に並べられるように加工するなど2年がかりで完成させた。

 現在は名古屋市中区金山町にある名古屋都市センター図書館のタブレット端末で、市民が無料閲覧できるようにしている。将来は、市民が自宅でも使えるようにしたい考えだ。

 両センターはこのソフトの開発をきっかけに、共同で減災に取り組む協定を締結した。名古屋市と周辺の危険度を分析し、災害に強い街につくり替えていく方法や、南海トラフ地震後の迅速な復興が可能な街づくりを今のうちに進めることを検討していく。

 都市センターの松尾稔最高顧問と減災連携研究センターの福和伸夫センター長は「復興を念頭に現在の街づくりをしていかなければ、立ち直れなくなる」と話している。

(2013年5月17日 中日新聞朝刊1面より)
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