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2013.05.12
犬山の町に出て学べ 名経大 体験型プロジェクト開始
■観光戦略など 実践的能力を育成
犬山市の名古屋経済大が、地元との連携を深める戦略を打ち出している。4月に新たな授業「体験型プロジェクト」をスタートさせ、地域連携センターも創設。積極的に町に出ることで、学生に実践的に考えて行動する能力を身につけさせ、地域発展への貢献も目指す狙いだ。
「古い建物だな。こういうの好きなんだよな」。4月下旬、犬山市犬山の城下町のメーンストリート・本町通りを名経大の1年生20人が歩いていた。古い町並みを楽しみながら、磯部邸や針綱神社など城下町の名所を訪問。携帯電話のカメラで撮影もした。
副学長の佐分晴夫さん(66)が受け持つ授業「犬山の観光戦略を考える」の一環。学生はこうした現地調査などを基に、独自の観光戦略を考えていく。
名経大は本年度、経済、経営など全4学部の1年生向けに授業「体験型プロジェクト」を導入した。用意したのは「犬山の観光戦略を考える」をはじめ、「工業都市としての犬山を知る」「名経大の水を知る」など18コース。このうち半分は同市の城下町や工業地区など学外に出て体験する授業だ。
狙いを、プロジェクトを統括する佐分さんは「学生が卒業後、自信を持って社会に出て、役立つ人材になること」と説明する。
正解を覚えるだけの受験勉強と違い、実社会では自分で考え、行動することが求められる。そうした手法をプロジェクトを通じて学んでほしいと願う。
もう1つの狙いが地域活性化への貢献だ。「若者が町に出てくれば、活性化する。将来的には犬山に加え、小牧、春日井市とも地域密着でやっていきたい」と展望を語る。
プロジェクトは学生にも好評だ。「犬山観光」の授業で城下町を歩いた経済学部の後藤啓太さん(18)は「建物に歴史を感じた。授業として面白く、これから楽しみ」と話す。
■地域発展へ 連携センターも創設
地域連携センターは地域と大学とを結び付ける新部門として4月に設立。町おこしや地域の中小企業の経営指導に当たった経歴を持つ経営学部の傍嶋則之准教授(51)がセンター長に就任した。
傍嶋さんは、センターと地域が協力し、犬山を発展させようともくろむ。具体的には、市内で収穫した農産物を加工した新しい特産品の開発、創業塾などによって、城下町に新しい店舗が次々に生まれるような仕組みづくり、新たな観光イベントの創設などの構想がある。
傍嶋さんが話を持ち掛けた市や犬山商工会議所から、まだ具体的な反応や進展はない。それでも、犬山には犬山祭の車山や温泉など、観光資源が豊富にあるとして「宿泊してくれる人も増やし、今の3倍は観光客が来るようにしたい」と今後の発展に向け、意気込んでいる。
(2013年5月12日 中日新聞朝刊近郊版より)
犬山市の名古屋経済大が、地元との連携を深める戦略を打ち出している。4月に新たな授業「体験型プロジェクト」をスタートさせ、地域連携センターも創設。積極的に町に出ることで、学生に実践的に考えて行動する能力を身につけさせ、地域発展への貢献も目指す狙いだ。
「古い建物だな。こういうの好きなんだよな」。4月下旬、犬山市犬山の城下町のメーンストリート・本町通りを名経大の1年生20人が歩いていた。古い町並みを楽しみながら、磯部邸や針綱神社など城下町の名所を訪問。携帯電話のカメラで撮影もした。
副学長の佐分晴夫さん(66)が受け持つ授業「犬山の観光戦略を考える」の一環。学生はこうした現地調査などを基に、独自の観光戦略を考えていく。
名経大は本年度、経済、経営など全4学部の1年生向けに授業「体験型プロジェクト」を導入した。用意したのは「犬山の観光戦略を考える」をはじめ、「工業都市としての犬山を知る」「名経大の水を知る」など18コース。このうち半分は同市の城下町や工業地区など学外に出て体験する授業だ。
狙いを、プロジェクトを統括する佐分さんは「学生が卒業後、自信を持って社会に出て、役立つ人材になること」と説明する。
正解を覚えるだけの受験勉強と違い、実社会では自分で考え、行動することが求められる。そうした手法をプロジェクトを通じて学んでほしいと願う。
もう1つの狙いが地域活性化への貢献だ。「若者が町に出てくれば、活性化する。将来的には犬山に加え、小牧、春日井市とも地域密着でやっていきたい」と展望を語る。
プロジェクトは学生にも好評だ。「犬山観光」の授業で城下町を歩いた経済学部の後藤啓太さん(18)は「建物に歴史を感じた。授業として面白く、これから楽しみ」と話す。
■地域発展へ 連携センターも創設
地域連携センターは地域と大学とを結び付ける新部門として4月に設立。町おこしや地域の中小企業の経営指導に当たった経歴を持つ経営学部の傍嶋則之准教授(51)がセンター長に就任した。
傍嶋さんは、センターと地域が協力し、犬山を発展させようともくろむ。具体的には、市内で収穫した農産物を加工した新しい特産品の開発、創業塾などによって、城下町に新しい店舗が次々に生まれるような仕組みづくり、新たな観光イベントの創設などの構想がある。
傍嶋さんが話を持ち掛けた市や犬山商工会議所から、まだ具体的な反応や進展はない。それでも、犬山には犬山祭の車山や温泉など、観光資源が豊富にあるとして「宿泊してくれる人も増やし、今の3倍は観光客が来るようにしたい」と今後の発展に向け、意気込んでいる。
(2013年5月12日 中日新聞朝刊近郊版より)