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中日新聞掲載の大学記事

2013.04.23

性別遺伝子 抑制したら 雌にも角 雄は短く カブトムシで名大解明

 カブトムシの角ができる仕組みを、名古屋大大学院生命農学研究科の新美輝幸助教らのグループが突き止めた。性別を決める遺伝子が、雄の場合には角を伸ばし、雌の場合には逆に角を伸ばさないように働いていることが分かった。

 新美助教らは、性別を決める遺伝子が働かないようにしたカブトムシの幼虫を飼育。雄になるはずだったカブトムシは、通常の成虫よりも頭の角が短くなり、背中(胸部)の小さい方の角はなくなってしまった。一方、雌になるはずだったカブトムシの頭部からは短い角が生えた。

 さらに、これら「雌雄中間」のカブトムシでは生殖器などもうまく発達せず、生殖能力もなかった。今回の成果を応用して害虫の生殖能力をなくせば、駆除にも役立つ可能性があるという。

 新美助教は「もとが雄でも雌でも短い角が頭部にできるということは、もともとカブトムシは短い角を持った昆虫だった可能性がある。進化を経て今のような形に変化したのだろう」と推測する。

 研究成果は23日付で欧州の学術誌「エンボ・リポーツ」の電子版に掲載される。

(2013年4月23日 中日新聞朝刊32面より)
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