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中日新聞掲載の大学記事

2013.03.14

世界フィギュア開幕 2年ぶりヨナと対決 真央 高め合う喜び

 【ロンドン(カナダ)=海老名徳馬】フィギュアスケートの世界選手権は、13日(日本時間14日未明)に当地で開幕した。12日(同13日)には、午前中に現地に入ったばかりの浅田真央(中京大)が初めての公式練習に登場。金妍児(キム・ヨナ、韓国)との2年ぶりの対決に向けて、会場の氷の感触を確認した。

 日本勢はこれで全選手が現地にそろい、鈴木明子(邦和スポーツランド)、村上佳菜子(愛知・中京大中京高)も順調な調整ぶりを披露した。

 13日夜(同14日午前)にショートプログラム(SP)を控える男子も公式練習があり、羽生結弦(宮城・東北高)、高橋大輔(関大大学院)、無良崇人(中京大)の3人が4回転ジャンプなどを確認して本番に備えた。

 高め合ってきた相手の存在が、試合に向かう気持ちも高めてくれる。「たくさんの選手が戻ってきて、よりいっそう盛り上がる」

 ライバルについて問われた浅田が笑顔で答えた。ジュニア時代から幾度も名勝負を繰り広げてきた金妍児と2年ぶりに相まみえる。「一人一人の選手がベストを尽くして、いい大会になると思う」。言葉の裏に、優れた選手と競い合うアスリートとしての喜びをにじませた。

 公式練習を終え、浅田がリンクの出口に近づく。練習に向かう金妍児が、その前を滑りながら通り過ぎる。長年の好敵手について口にしたのはそのすぐ後。「昔からたくさん注目されてきている。いいライバルがいることで自分も成長できる」

 2010年バンクーバー五輪では浅田が銀、金妍児が金メダルに輝いた。11年の世界選手権以降、第一線を離れていた金妍児も各国の取材陣を前に浅田への思いを明かした。「浅田真央さんの存在は重圧ではないけれど、比較するファンの視線は重圧だった」。バンクーバー五輪までは周囲の期待が負担になったものの、復帰した今は「もっと軽い気持ち。何をやらないといけないかという負担だけで、自分への期待が大きい」とも話した。

 ライバルへの意識以上に、まず自分自身と向き合うのは浅田も同じ。「自分の最高のレベルをSP、フリーでそろえることが目標」。互いが今持てる力をぶつけ合えば、ファンの記憶に残る名勝負がまた一つ、生まれることになる。 (海老名徳馬)

■SP、真央は最終組33番

 14日に行われる女子SPの滑走順抽選が13日にあり、浅田は最終組の33番となった。村上は同組の30番、鈴木は1つ前の第5組の24番で登場する。金妍児は久々の国際大会出場で世界ランキングが低いため早く滑るグループでの抽選となり、全6組のうち3組目の14番となった。

(2013年3月14日 中日新聞朝刊27面より)
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