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中日新聞掲載の大学記事

2012.10.05

進化する「省エネ」研究棟 名工大建設へ 完成後も新技術導入

 名古屋工業大(名古屋市昭和区)は、二酸化炭素の排出や電気使用量を減らすなど、学内で開発された環境負荷軽減技術を集結させる実験棟「スマートエネルギー研究棟」を建設する。来年夏に着工し、2014年度中に完成させる。建設後も新たな技術が確立されれば導入し「進化し続ける環境実験棟」を目指す。

 建物は8階建て、延べ9000平方メートル。築50年を過ぎた校舎を取り壊して建設する。研究棟の窓には、張るだけで室内の温度を3〜5度下げられる透明な断熱フィルムを活用。壁には、熱を吸収しにくい白のタイルを利用し、省エネにつなげる。太陽光発電パネルやリチウム電池、燃料電池、緑化なども取り入れる。

 建物の屋上に大型の発電用風車を設置すれば全電力を賄えるが、費用面と騒音対策で現実的ではないため、採用しない。実験棟では実用可能な技術だけを導入するといい、増田秀樹副学長は「ほかのビルでも実際に導入できなければ、意味がない」と説明する。

 環境技術を集積し、完成段階で消費電力を通常の半分に減らすことが目標。東大は、現段階で最新式の環境技術を学内から集めたビルを造っているが、名工大によると「進化」させていく形のビルは全国でほとんど例がないという。

(2012年10月5日 中日新聞朝刊3面より)
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