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中日新聞掲載の大学記事

2012.08.22

映画「さよならドビュッシー」 名古屋などでロケ

■弟子の演奏「才能ある」 清塚信也が橋本愛を絶賛

 2009年に「このミステリーがすごい」(宝島社主催)大賞を受けた中山七里さんの小説「さよならドビュッシー」を10年ぶりにメガホンを取る利重剛監督が映画化。小説の舞台そのままに名古屋とその周辺でロケが行われている。「告白」で注目を集め、その後も話題作への出演が相次ぐ橋本愛と「のだめカンタービレ」などの吹き替え演奏を担当したピアニストの清塚信也が、ピアニストを目指す少女の成長物語と殺人事件の謎解きが入り組んだ迷路のような作品に挑んでいる。(中山敬三)

 裕福な家庭に生まれた遥(橋本)は、ピアニストを目指し幼いころからレッスンを続けてきたが、高校生の時、火事で祖父(ミッキー・カーチス)を失い、自らも全身にやけどを負う。奇跡的に回復した遥は天才的な技術、指導力を持つピアニスト岬(清塚)と再び夢に向かって踏み出していく。

 火事で負った深い心の傷と皮膚や筋肉の障害をかかえながら、ピアノ技術を飛躍的に磨くという難役に「最後のシーンに向けて一つ一つをしっかりやっていきたい」と表情を引き締める橋本。役柄同様、彼女の指遣いなどを指導している清塚は「言葉が足りなかったかなと思っても、先回りしてやってくれる。昨日の今日で言ったことができるのは、若さなのか、女優魂なのか。すごい才能があることは間違いない」と“愛(まな)弟子”を絶賛した。

 愛知県北名古屋市の名古屋芸術大では、コンクールの場面を撮影。450人の聴衆エキストラが見つめる中、橋本はドビュッシーの「アラベスク」「月の光」を演奏するクライマックスシーンに臨んだ。

 「OKが出るたびに拍手をしてくださったので、知らず知らず力になった。会場の雰囲気をリアルに感じながら演じることができた」と手応えを語る橋本を、ここでも清塚が強力アシスト。プチリサイタルを開き、朝から夕方までホールに詰めたエキストラの労をねぎらった。利重監督らの発案で清塚の超絶技巧に驚き、感動するエキストラの表情もカメラに収められた。

 「自然さということに今回、監督はこだわっていらっしゃるんじゃないかと思っている。岬ほど僕はスーパーマンじゃないですけど、頭でっかちなところだとか自分との共通点が見いだせているので幸運です」と清塚。超新星がこの作品から飛び出すかもしれない。

 戸田恵子、三ツ矢雄二、吉沢悠らも出演。来春公開予定。

(2012年8月22日 中日新聞夕刊芸能面より)
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