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2012.08.20
高台へ避難路 大学と協定 中部でも見直し
東北地方の各地で避難所が水没した実態を受け、中部地方でも避難所の見直しが進んでいる。
愛知県南知多町は、低地の学校などを地震・火災時の「避難広場」としていたが、津波を想定した避難場所はなかった。昨年3月の東日本大震災を受け、各地の自治団体の推薦で、高台の一時避難場所61カ所を指定した。ただ、適当な高台がない地域は道路上が避難場所にされており、「本当に大丈夫なのか」という声も出ている。
愛知県美浜町は昨年10月、海抜26メートルの高台にキャンパスを構える日本福祉大と、いつでも被災者を受け入れる避難場所とする協定を結んだ。大学は沿岸部から2キロほど離れており、速やかな避難が課題として残っている。
最大で高さ4.5メートルの津波が予想される愛知県蒲郡市は市内33カ所の避難施設のうち、海抜4.5メートル以下の2カ所を見直し、海抜46メートルに立地する愛知工科大と避難所協定を結んだ。
三重県南伊勢町は、一次避難所を見直し、全230カ所が海抜20メートル以上の高台に位置するよう変更。各町会が協力し、高台への避難路を整備している。避難所までは急坂で「20〜30代の男性でも15分かかる場所もある」(町防災課)。県の予測では、地震発生から20分弱で第一波が到達する地域もある。いち早く自力で上れる高齢者を増やすのが最重要課題。健康体操を防災施策に位置付けて、高齢者の足腰強化を進めている。
三重県大台町は昨年度、避難所の安全性を調査。今年4月、土砂災害の恐れがある小学校体育館など3カ所の避難所指定を解除した。
避難所の安全性を考えることで新たな課題も明らかになり、各自治体が試行錯誤を続けている。
(2012年8月20日 中日新聞朝刊25面より)
愛知県南知多町は、低地の学校などを地震・火災時の「避難広場」としていたが、津波を想定した避難場所はなかった。昨年3月の東日本大震災を受け、各地の自治団体の推薦で、高台の一時避難場所61カ所を指定した。ただ、適当な高台がない地域は道路上が避難場所にされており、「本当に大丈夫なのか」という声も出ている。
愛知県美浜町は昨年10月、海抜26メートルの高台にキャンパスを構える日本福祉大と、いつでも被災者を受け入れる避難場所とする協定を結んだ。大学は沿岸部から2キロほど離れており、速やかな避難が課題として残っている。
最大で高さ4.5メートルの津波が予想される愛知県蒲郡市は市内33カ所の避難施設のうち、海抜4.5メートル以下の2カ所を見直し、海抜46メートルに立地する愛知工科大と避難所協定を結んだ。
三重県南伊勢町は、一次避難所を見直し、全230カ所が海抜20メートル以上の高台に位置するよう変更。各町会が協力し、高台への避難路を整備している。避難所までは急坂で「20〜30代の男性でも15分かかる場所もある」(町防災課)。県の予測では、地震発生から20分弱で第一波が到達する地域もある。いち早く自力で上れる高齢者を増やすのが最重要課題。健康体操を防災施策に位置付けて、高齢者の足腰強化を進めている。
三重県大台町は昨年度、避難所の安全性を調査。今年4月、土砂災害の恐れがある小学校体育館など3カ所の避難所指定を解除した。
避難所の安全性を考えることで新たな課題も明らかになり、各自治体が試行錯誤を続けている。
(2012年8月20日 中日新聞朝刊25面より)