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2012.08.15
心の傷 映画で描く 市大生が監督・製作 市内で撮影 年末公開目指す
■アダルトチルドレンがテーマ
市立大芸術工学部(千種区)の学生たちが、「アダルトチルドレン」と呼ばれる心の病を描く長編映画「インナーチャイルド(仮題)」の撮影に取り組んでいる。「一部の映画好きだけでなく、悩みを抱える若者や医療関係者にも共感してもらえる作品を」と思いを込め、今年末の劇場公開を目指す。(相坂穣)
「カット! このシーンは、もっと悲しそうな表情が必要」「カメラのアングルは少し下からが良いんじゃない」。主人公の中学、高校生時代を演じる女優に指導する監督や、モニターを確認しながら意見を交わすカメラマン、助監督の声が、守山区内の民家で響く。
2008年から映画を製作する栗原康行准教授の映像研究室のゼミ活動の一環。スタッフの学生10人を中心に、プロの俳優や子役ら出演者20人が参加する。夏休みを利用して9月上旬まで市内の病院や商業施設で撮影を続ける。
テーマとなるアダルトチルドレンは、アルコール依存症や暴力的な親の下で育った子どもが大人となった後に心的外傷を抱え、対人関係などに苦労する現代的な症状を指す。
「問題を抱える主人公がどのように自分と向き合い、解決するかを考えたい」と、栗原准教授が脚本を企画した。保険会社の営業職としてトップの成績を誇る主人公の桂子が、幼少時に受けた「心の傷」を思い出し、現在と過去の記憶のはざまでもがくストーリーだ。
監督を務める2年生の松本直也さん(20)は「主人公の微妙な心の動きを表現するために、スタッフや役者にどうしたら意図が伝わるか。コミュニケーションが一番大切だと意識している」と語る。
学生たちは撮影や演出のほか、俳優との出演交渉、スケジュール管理の苦労も経験。栗原准教授は「1本の映画は、さまざまな工夫や調整なくして完成しない。学生に本当のものづくりを通して、座学の授業では身に付かないスキルを培ってほしい」と願う。
(2012年8月15日 中日新聞朝刊市民版より)
市立大芸術工学部(千種区)の学生たちが、「アダルトチルドレン」と呼ばれる心の病を描く長編映画「インナーチャイルド(仮題)」の撮影に取り組んでいる。「一部の映画好きだけでなく、悩みを抱える若者や医療関係者にも共感してもらえる作品を」と思いを込め、今年末の劇場公開を目指す。(相坂穣)
「カット! このシーンは、もっと悲しそうな表情が必要」「カメラのアングルは少し下からが良いんじゃない」。主人公の中学、高校生時代を演じる女優に指導する監督や、モニターを確認しながら意見を交わすカメラマン、助監督の声が、守山区内の民家で響く。
2008年から映画を製作する栗原康行准教授の映像研究室のゼミ活動の一環。スタッフの学生10人を中心に、プロの俳優や子役ら出演者20人が参加する。夏休みを利用して9月上旬まで市内の病院や商業施設で撮影を続ける。
テーマとなるアダルトチルドレンは、アルコール依存症や暴力的な親の下で育った子どもが大人となった後に心的外傷を抱え、対人関係などに苦労する現代的な症状を指す。
「問題を抱える主人公がどのように自分と向き合い、解決するかを考えたい」と、栗原准教授が脚本を企画した。保険会社の営業職としてトップの成績を誇る主人公の桂子が、幼少時に受けた「心の傷」を思い出し、現在と過去の記憶のはざまでもがくストーリーだ。
監督を務める2年生の松本直也さん(20)は「主人公の微妙な心の動きを表現するために、スタッフや役者にどうしたら意図が伝わるか。コミュニケーションが一番大切だと意識している」と語る。
学生たちは撮影や演出のほか、俳優との出演交渉、スケジュール管理の苦労も経験。栗原准教授は「1本の映画は、さまざまな工夫や調整なくして完成しない。学生に本当のものづくりを通して、座学の授業では身に付かないスキルを培ってほしい」と願う。
(2012年8月15日 中日新聞朝刊市民版より)