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中日新聞掲載の大学記事

2012.07.19

食の力 夢追う学生 名古屋学芸大管理栄養学部

■女子強豪 名城大駅伝部サポート

 名古屋学芸大(愛知県日進市)の管理栄養学部の学生たちが、大学スポーツで活躍する選手たちに、専門知識を生かした最適の食事を提供する活動を続けている。大学女子駅伝の強豪、名城大(名古屋市天白区)は、選手の記録が年々向上。10月の大会では7年ぶりの日本一を見据える。愛知学院大(日進市)のラグビー部員も、食事効果でたくましい体を作り上げている。

 天白区にある名城大女子駅伝部の寮。学芸大4年の河合芳実さん(22)と中瀬苗理さん(21)は13日午後4時ごろから、台所で忙しく働いていた。25人分の夕食ができあがった6時半すぎ、練習を終えた選手たちが「ありがとうございます」と口にしながら食堂に入ってきた。

 メニューは豆腐ハンバーグにメカブとオクラのサラダなど栄養バランスを考えた4品。必要十分なカロリーを計算し、長距離選手は貧血になりやすいことから豆腐ハンバーグには鉄分の多いひじきを混ぜ、サラダには彩りで食欲がわくようにと、トマトを入れた。

■栄養士目指しデータ研究 日本一奪回へ記録伸ばす

 寮には、管理栄養士を目指す4年生12人が毎日2人ずつ通う。食事づくりの一方、選手の血液データをもらい、研究にも役立てている。河合さんは言う。「就職活動とも重なって大変だけど、よい機会をもらっていると思っています」

 名城駅伝部は年間で最も重要な大会「全日本大学女子駅伝」で昨年まで5年連続3位だが、タイムは年々早くなっている。

 食事は、練習や休息と並んで選手が強くなるために必須の要素。米田勝朗監督は創部間もない2000年ごろ、「どんな食事を取っているのか、教えて」と、名門大学の監督に頼んでみたが、「遠回しに断られまして」。

 その食事が、今や大きな武器になった。「陸上と調理、目標は違うが夢を追う学生同士。だから、お互いを尊重し、うまく回る」と、栄養面以外の効果も指摘する。4年生の小田切亜希さん(21)は「もっと食べたいときもあるけど、学芸大の仲間が真剣に考えてくれた食事。信じてぐっと我慢します」。

 学芸大の学生は仙台市で開かれる大会にも同行。食事づくりで日本一を側面支援する。

■愛知学院大のラグビー部も

 名城大で選手が夕食を取っているころ、愛知学院大ラグビー部の寮でも食事の準備が進んでいた。学芸大の1年から4年まで80人が毎日6人ずつ担当。成人男性の2倍近い1日4000キロカロリーが必要な選手向けに、ボリュームたっぷりのカレーライスなど4品を46人分用意した。

 学芸大3年の鷲見拓弥さん(20)は「残されちゃうと『おいしくなかったのかな』と寂しい気持ちになります」。心配をよそに、選手たちは1キロ分のカレーを次々とたいらげた。体重を増やしたい選手の1人が口を開いた。「100キロまでもう一息」

(2012年7月19日 中日新聞夕刊1面より)

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