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2008.08.08
保存版“半田の宝”
市民と連携DVD化 愛知・日福大半田キャンパス
日本福祉大半田キャンパス(愛知県半田市)は、設立当初から地域との連携事業に力を入れてきた。その1つ「トレジャーハンダープロジェクト」は、学生と市民、市職員が一緒になって半田市の紹介映像を作る試みだ。“半田の宝(トレジャー)”を映像で発信しようと、5作品が7月、1枚のDVDにまとめられた。
情報社会科学部がある同キャンパスは、1995年に市の協力を得て設立。市民の生涯学習の拠点にと市から要望があり、キャンパス内に生涯学習センターを建てた。以来、市民向けに年間約120講座を開いている。
これらの事業が2006年、文部科学省から評価され、大学の優れた教育プログラムに補助金を出す制度「特色GP」に選ばれた。トレジャーハンダーもその一環だ。
きっかけは06年4月、市役所の倉庫から見つかった2本の16ミリフィルム。昭和40年代に市が作成した記録映像だった。人通りでにぎわうJR半田駅前の商店街や、伊勢湾台風後の倒壊した街並みなど貴重な風景がつまっていたが、フィルムが傷んでいた。これ以上劣化しないようにと同大の技術でデジタル化した際、センターが「昔と今を対比した映像を作れば、小中学校の教材にもなるのでは」とトレジャーハンダーを企画した。
市民、市、学生を巻き込みながら、40年前と現在の市の様子を織り交ぜた「映像で見る半田」や、童話作家・新美南吉に詳しい人のインタビューなどから成る「南吉の心が宿るまち」など、3作品を作った。
フィルムをデジタル化した映像2本をこれに加え「半田の街 再発見」を完成させた。半田市民交流センターでの無料貸し出しも始まり、学生と地域とのつながりが更に深まっている。
■ 取材後記
見ればすぐに分かるが、1本目より2本目の方が生き生きしている。1本目は昔の映像に、今の建物を撮って織り交ぜただけで人がほとんど映っておらず、元気の良い半田の街がまるでゴーストタウンのようだった。
メンバーらは1本目完成の後、議論を重ねたり、映像製作のプロに助言をもらったりして「街に命を吹き込むのは人間。人の声や表情を撮らなくては」との結論に達した。次は山車祭りがテーマの作品を予定。活気が伝わってくるような作品を期待したい。(石井紀代美)
(2008年8月8日 中日新聞夕刊3面より)
日本福祉大半田キャンパス(愛知県半田市)は、設立当初から地域との連携事業に力を入れてきた。その1つ「トレジャーハンダープロジェクト」は、学生と市民、市職員が一緒になって半田市の紹介映像を作る試みだ。“半田の宝(トレジャー)”を映像で発信しようと、5作品が7月、1枚のDVDにまとめられた。
情報社会科学部がある同キャンパスは、1995年に市の協力を得て設立。市民の生涯学習の拠点にと市から要望があり、キャンパス内に生涯学習センターを建てた。以来、市民向けに年間約120講座を開いている。
これらの事業が2006年、文部科学省から評価され、大学の優れた教育プログラムに補助金を出す制度「特色GP」に選ばれた。トレジャーハンダーもその一環だ。
きっかけは06年4月、市役所の倉庫から見つかった2本の16ミリフィルム。昭和40年代に市が作成した記録映像だった。人通りでにぎわうJR半田駅前の商店街や、伊勢湾台風後の倒壊した街並みなど貴重な風景がつまっていたが、フィルムが傷んでいた。これ以上劣化しないようにと同大の技術でデジタル化した際、センターが「昔と今を対比した映像を作れば、小中学校の教材にもなるのでは」とトレジャーハンダーを企画した。
市民、市、学生を巻き込みながら、40年前と現在の市の様子を織り交ぜた「映像で見る半田」や、童話作家・新美南吉に詳しい人のインタビューなどから成る「南吉の心が宿るまち」など、3作品を作った。
フィルムをデジタル化した映像2本をこれに加え「半田の街 再発見」を完成させた。半田市民交流センターでの無料貸し出しも始まり、学生と地域とのつながりが更に深まっている。
■ 取材後記
見ればすぐに分かるが、1本目より2本目の方が生き生きしている。1本目は昔の映像に、今の建物を撮って織り交ぜただけで人がほとんど映っておらず、元気の良い半田の街がまるでゴーストタウンのようだった。
メンバーらは1本目完成の後、議論を重ねたり、映像製作のプロに助言をもらったりして「街に命を吹き込むのは人間。人の声や表情を撮らなくては」との結論に達した。次は山車祭りがテーマの作品を予定。活気が伝わってくるような作品を期待したい。(石井紀代美)
(2008年8月8日 中日新聞夕刊3面より)