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中日新聞掲載の大学記事

2011.10.08

山口国体 自転車競技4キロ速度競争 岐南工“新旧エース” ダブルV

 自転車競技の4キロ速度競走で、岐阜・岐南工の“新旧エース”がダブル優勝を飾った。少年男子で橋本英也(3年)が圧勝で連覇を飾ると、成年男子でも、同校を今春卒業した矢野智哉(朝日大1年)が、三つどもえの競り合いを制した。陸上の少年男子A100メートルでは三重の諏訪達郎(四日市工2年)が3位に入った。カヌーの成年女子スプリント・カヤックシングル(500メートル)はロンドン五輪代表に決まっている北本忍(富山県体協)が1分58秒087で圧勝し、2連覇を果たした。

■実力見せつけた 少年男子橋本圧勝で連覇飾る

 高校生ではもっか敵無しの実力を、嫌というほど見せつけた。残り1周半。橋本がスパートをかけると、唯一食らい付いてきていた高校総体準Vの大久保隆矢(福岡)を一瞬で置き去りに。最後は100メートル近い差でゴールに飛び込んだ。「“ごちそうさま”って感じの展開。つらくなかった」と涼しい顔で振り返ってみせた。

 序盤は集団に合わせ「速くないペースで足をためて」いたが、周りが自然と脱落し、中盤から大久保との一騎打ちに。それでも「相手がえらそう(つらそう)だった」と余裕タップリ。速度競走は12周の半周ごとに最低3回トップに立つ義務があるが、断トツに多い9回首位を奪う内容で連覇に花を添えた。

 2年の高校総体で優勝後は、個人中距離種目で高校生相手には負けなし。「中距離の絶対王者」に君臨して、高校生同士の大会を終えた。「前に行って、あまりタレないのが自分の強み」。小さい時から続けたトライアスロンで培った持久力が、見事に花開いた。

 指導する岐南工の萩野良信監督(32)も「夏の合宿でさらに強化ができた。強さを見せられた」と完勝に目を細める。「大学では強い選手にもまれて、世界で通用する選手になってほしい」と期待を寄せる。本人もその気は十分。「世界レベルには10秒以上遅い。全体的に鍛えてもっと速くなりたい」。高校王者の自信を胸に、さらに強くなる。 (田中一正)

■成年男子矢野三つどもえ制す

 成年男子4キロ速度競走は、中盤から矢野を含む3人の競り合いに。残り半周で一気にスパートした矢野が、迫る地元山口県の選手をギリギリ抑えて優勝した。「(人と競り合う)レースの経験があまりなくて戸惑ったけど、できる限りのことをしようと思った」と、ほっと息をついた。

 岐南工でまったくの素人から自転車競技を始めながら、タイムを競う追い抜き種目で2年時に春夏全国制覇もした実力者。高校3年では調子を落としていたが、大学入学後初の全国優勝に「昨年は練習もできていなかったけど、今年は良い感じ」と再浮上の手応えをつかんでいる。

 岐南工の萩野監督も「高校の時より、瞬間の速さもスピードもついてきている」と成長を認める。「目標はまずインカレ優勝」と意気込む矢野には、地元開催の来年の岐阜国体で、エースとして期待がかかる。

(2011年10月8日 中日スポーツ9面より)
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