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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.16

日米大学野球代表候補に愛知リーグからただ1人 名城大 河野

■しかも唯一の1年生 149キロ速球で代表入りアピール

 愛知大学野球リーグ1部、名城大の河野清太郎投手(1年・愛知啓成)が第38回日米大学野球選手権大会(米国で7月3〜8日に開催)の日本代表候補に選出された。17日から神奈川・平塚球場で始まる選考合宿では東海大・菅野、東洋大・藤岡ら今秋のドラフト1位候補投手と肩を並べる。唯一の1年生候補は代表入りを狙いながら、注目投手から多くのことを学ぶつもりだ。

■春季Lで新人賞

 まさにシンデレラボーイだ。1年前は高校の2番手投手だった男が今や、大学日本代表候補の一員。関係者によると、右上手から投げ込む最速149キロの快速球が評価されての選出というが、本人が驚くのも当然だろう。

 「選ばれてびっくりした。合宿では見たこともないような球を見られると思うので、いいところを盗みたい。この経験を無駄にしないようにしたい」

 昨年、興南高(沖縄)で甲子園を春夏連覇した中大・島袋が左肩痛で外れたため、河野は唯一の1年生候補。春季リーグ戦では8試合に登板し、シーズン途中からエース格として2勝。防御率0.99で新人賞も獲得した。その勢いのまま、代表候補まで駆け上がった。

■高校では2番手

 愛知啓成高では背番号9の2番手投手。好左腕・中川(現・三菱重工名古屋)がいたため、河野は最長5イニングまでしか投げたことがなかったという。しかも、中川の左投げに対して相手打者の目先を変えるために、3年夏は横手投げに転向。「中川を楽にさせる役回りだった」と振り返る。

 だが、横手で145キロを投げたほどの高い身体能力の持ち主。名城大では入学前から練習に参加し、「先発で投げるために」と連日、ブルペンで150球を投げ込んでスタミナを強化した。リーグ開幕戦でリリーフ登板し、いきなり初勝利を挙げると、名商大との1回戦では延長18回まで投げ抜いて零封。「春はベンチ入りして、1試合でも投げられたらいいと思っていた。これだけ投げられるとは想像もしていなかった」。自覚も高まり、1年生投手では唯一、規定投球回数に達した。

■「菅野(東海大)藤岡(東洋大)のいいところ吸収」

 代表候補合宿にはドラフト1位指名が確実視される菅野や藤岡、明大・野村も参加。「157キロを投げる菅野さんに注目したい。話し掛けてみたい」ともくろんでいる。「代表に選ばれて、もっと上を知りたい。スピードをアピールしたい」と河野。物おじしない1年生は豪華投手陣に割って入るつもりだ。 (麻生和男)

河野清太郎(こうの・せいたろう)
 1992(平成4)年4月11日生まれの19歳。愛知県半田市出身。181センチ、75キロ、右投げ右打ち。小学2年の時に軟式の雁宿クラブで野球を始め、中学時代は知多シニアに所属。愛知啓成高では1年秋からベンチ入りし、二塁以外のポジションを経験。3年夏は愛知大会で準優勝した。名城大では春季リーグ開幕戦でデビュー。8試合に登板して2勝3敗、防御率0.99で新人賞を獲得した。

(2011年6月16日 中日スポーツ10面より)
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