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2008.06.12
フレスコ画模写お見事 仏ユネスコ本部 名芸大生ら披露
【パリ=牧真一郎】名古屋芸術大(北名古屋市)の美術学部日本画コースの学生や卒業生が制作したフランス国内の大聖堂にあるフレスコ画の模写作品が、パリ市内の国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部に12日まで展示されている。来場者は日本画の技巧を生かした繊細で豊かな色彩の再現に目を見張っている。
このフレスコ画は、仏中東部シャロン・シュル・ソーヌ市のサン・バンサン大聖堂の祭室に15世紀に描かれた「聖母の御眠り」だ。
日本画と風合いの似る中世壁画の技法を探求しようと、同大が仏政府の許可を得て昨年5月から和紙と岩絵の具を使った模写を開始した。昨夏には8人の学生らが現地で制作に当たり、日本に持ち帰ってフレスコ画を囲む立体アーチを仕上げた。
模写展は日仏150周年記念展として開かれ、会場では同大教員や制作に当たった学生らが来客に制作過程などを説明。同学部の神戸峰男学部長(63)は「フレスコ画は日本画と作業的に近く、美術の普遍性に接した学生は勉強になったと思う」と成果に目を細めた。
今年3月に卒業した赤井恵子さん(23)や卒業生の岡本昌子さん(34)ら制作者は「それぞれ微妙に違う描き方を合わせたり、はがれや色落ちをそのまま再現したりするのが難しかった」などと振り返った。
今月15日から20日まで実物のある大聖堂内で展示。今秋に埼玉や東京に会場を移した後、来年1月14−21日に同大アート&デザインセンターでの「名古屋展」で締めくくる。
(写真)完成したフレスコ画の模写と制作に当たった名芸大の学生や卒業生(右側)=9日、パリ市内のユネスコ本部で(牧真一郎撮影)
(2008年6月12日 中日新聞朝刊県内版より)
このフレスコ画は、仏中東部シャロン・シュル・ソーヌ市のサン・バンサン大聖堂の祭室に15世紀に描かれた「聖母の御眠り」だ。
日本画と風合いの似る中世壁画の技法を探求しようと、同大が仏政府の許可を得て昨年5月から和紙と岩絵の具を使った模写を開始した。昨夏には8人の学生らが現地で制作に当たり、日本に持ち帰ってフレスコ画を囲む立体アーチを仕上げた。
模写展は日仏150周年記念展として開かれ、会場では同大教員や制作に当たった学生らが来客に制作過程などを説明。同学部の神戸峰男学部長(63)は「フレスコ画は日本画と作業的に近く、美術の普遍性に接した学生は勉強になったと思う」と成果に目を細めた。
今年3月に卒業した赤井恵子さん(23)や卒業生の岡本昌子さん(34)ら制作者は「それぞれ微妙に違う描き方を合わせたり、はがれや色落ちをそのまま再現したりするのが難しかった」などと振り返った。
今月15日から20日まで実物のある大聖堂内で展示。今秋に埼玉や東京に会場を移した後、来年1月14−21日に同大アート&デザインセンターでの「名古屋展」で締めくくる。
(写真)完成したフレスコ画の模写と制作に当たった名芸大の学生や卒業生(右側)=9日、パリ市内のユネスコ本部で(牧真一郎撮影)
(2008年6月12日 中日新聞朝刊県内版より)