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中日新聞掲載の大学記事

2011.03.07

「信号機の光」で車に情報 名大が実験成功

■交差点の事故抑止 新たな可能性

 発光ダイオード(LED)の光で、外から自動車に文字や音楽などの情報を送る公開実験が6日、名古屋大(千種区)のキャンパスで行われた。実験は無事成功し、将来的には死角になっている交差点内の映像をLEDの信号機からドライバーに送信するなど、新たな交通安全対策への期待が高まった。 (中村禎一郎)

■LEDで通信 文字や音

 手がけたのは名大教養教育院の山里敬也教授や、工学研究科の圓藤知博助教らのグループ。

 仕組みは、目では見えないほどの速さでLEDを点滅させることで情報を伝える。LEDは1秒間に4000回程度点滅させることができるため、LED信号機を通信に活用することが検討されていた。グループは総務省の委託で2009年度から研究開発を進めていた。

 実験では、信号機に見立てた45センチ四方のLED看板を用意。可視光を受けるカメラとパソコンを積んだ自動車を徐々に看板に近づけた。結果、車に積んだパソコンは100メートルの距離で文字情報を感知。さらに30メートルになると、パソコンを通じて音楽を受信し、車内に流れた。

 この方法では光で映像を伝えることも可能。将来的には交差点に設置された複数のカメラの映像を、信号機の光を通じて自動車に配信することが想定されている。さらに、車のテールランプの光で後方車に危険情報を伝えることなどもできる。

 山里教授は「車にはドライブレコーダーなど映像を受け取る機械が入っている。技術はすぐにでも実用化でき、応用すれば『陰に車がいる』『信号が間もなく変わる』といった情報をドライバーに伝えられる。交通事故の減少にも貢献できる」と話した。

 実験に立ち会った総務省東海総合通信局の担当者も「可視光は新たな通信方法として注目を集めている。可能性を広げる結果」と話した。

(2011年3月7日 中日新聞朝刊市民版より)

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