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2010.12.06
東海学生駅伝 中京大 命題きっちり/東海学生女子駅伝 名城大A ぶっちぎり
5日の第72回東海学生駅伝対校選手権大会(東海学生陸上競技連盟、中日新聞社主催)は、連覇を飾った中京大に、愛工大Aと名大Aが続いた。同時開催の第4回東海学生女子駅伝対校選手権大会(同)は、優勝が名城大A、2位中京大、3位愛教大で昨年と同じ順位。ともに上位を県勢が独占した。 (字井章人、小端あゆ美)
■4区間新で大会新
4連覇は文字通り、ぶっちぎりのゴールだった。名城大Aのアンカー八木絵里選手(2年)は、人さし指を立ててテープを切った。オープン参加のB、Cと上位を独占。2位以下の各校に、王者の力を見せつけた。
「連覇のプレッシャーはあまり感じず、楽しく走れた」と八木選手。「どの選手も、目標タイムを切れるように意識して走れたと思う」。びゅんびゅん飛ばして、2区を除く4選手が区間新。全体のタイムも、大会記録を1分以上縮めた。
「天候に恵まれ、各区間ともしっかり走れた。選手には、前半から攻めるよう伝えた」と米田勝朗監督(42)。年末の全日本大学女子選抜駅伝が今年はなく、次の大会までは時間がある。「夏まではハーフマラソン大会などに向け、個々の力を高めさせたい」と今後に目を向けた。
■連戦でも力走 中京大・吉川選手
女子の中京大アンカー、吉川侑美選手(2年)は、5キロすぎに前を行く愛教大の選手をとらえ、2位を死守した。名城大に少しでも追いつくのがチームの目標。譲れない順位だった。前日の4日は、一宮市代表として愛知駅伝に出場。「2日連続はきつかったけど、満足のいく走りができた」と振り返った。
■スーパー1年生 大会新 名大1区・鈴木亜由子選手
名大の鈴木亜由子選手(1年)が、大会新記録で1区を駆け抜けた。
10月の仙台・全日本女子学生駅伝では区間3位と、“スーパー1年生”ぶりを見せつけた。序盤は名城大Bの選手と競る展開。様子を見ながら、ラスト1キロでスパートした。後続の2人まで区間新に引き込むスピードだった。「練習での調子はよくなかったが、本番はまあまあ。区間賞の目標を果たせてうれしい」と笑顔だった。
■終盤に圧倒し連覇
中京大のアンカー、神谷泰光選手(修士1年)が両腕を広げ、笑顔で連覇のテープを切る。「やった」。待ち受けたチームメートの喜びが爆発した。
昨年の覇者も、今年は2月の名岐駅伝、11月の全日本大学駅伝と続けてライバル名大の後塵(こうじん)を拝した。雪辱を期す今大会。「絶対勝つ」とメンバー全員が気合を入れて臨んだ。
「4区までに差を広げ、6、7区で突き放すほぼプラン通りの勝利」。2区を走った山下洸(みなと)主将(4年)は冷静に振り返りつつ、「名大に勝ててほっとした」と笑みを浮かべた。
1区から保った首位の座を5区で失うが、6区で奪い返した後は、リードが広がるばかりだった。終わってみれば区間賞4人の完勝。来年の出雲全日本大学選抜駅伝の出場権も、きっちり獲得した。
川口孝志郎監督(56)は「狙い通りにいった。これでさらに自信がつく」。神谷選手も「この大会で勝ったチームが東海地区で最速。優勝を手中にできてうれしい」と誇らしげだった。
■名大A無念の3位 「心と体 作り直す」
優勝候補の名大Aが悔しい3位に終わった。アンカーの鈴木慎選手(修士1年)は「調子は良かった。なぜこの結果なのか分からない」と肩を落とした。
13秒差の2位でたすきを受けた。「優勝は射程圏と思ったが、追いつけなかった」。6月の全日本大学駅伝東海地区選考会では、中京大を破って優勝。重圧が選手たちの見えない敵になっていたのかもしれない。
次は来年1月の名岐駅伝。「心も体も作り直したい」と新たな目標に目を向けた。
■沿道からの声援 ランナー後押し
好天に恵まれた今大会。コース沿いの住民らが小旗を振って、選手に声援を送った。女子がゴールする南知多町豊浜の魚ひろば前では、近くで理容店を営む相川晴美さん(64)が「客が途切れたから」と急いで沿道へ。「学生たちの一生懸命な姿が見たくて」と、ゴールに飛び込むランナーに拍手を送った。毎年、ゴールを見に来る近所の主婦日比あさ子さん(65)も「頑張る姿にパワーをもらえる」と喜んだ。
(写真左)1位でゴールする中京大のアンカー神谷泰光選手=半田運動公園陸上競技場で
(写真右)人さし指を空に向かって立てながら1位でゴールする名城大Aのアンカー八木絵里選手=南知多町で
(2010年12月6日 中日新聞朝刊18面より)
■4区間新で大会新
4連覇は文字通り、ぶっちぎりのゴールだった。名城大Aのアンカー八木絵里選手(2年)は、人さし指を立ててテープを切った。オープン参加のB、Cと上位を独占。2位以下の各校に、王者の力を見せつけた。
「連覇のプレッシャーはあまり感じず、楽しく走れた」と八木選手。「どの選手も、目標タイムを切れるように意識して走れたと思う」。びゅんびゅん飛ばして、2区を除く4選手が区間新。全体のタイムも、大会記録を1分以上縮めた。
「天候に恵まれ、各区間ともしっかり走れた。選手には、前半から攻めるよう伝えた」と米田勝朗監督(42)。年末の全日本大学女子選抜駅伝が今年はなく、次の大会までは時間がある。「夏まではハーフマラソン大会などに向け、個々の力を高めさせたい」と今後に目を向けた。
■連戦でも力走 中京大・吉川選手
女子の中京大アンカー、吉川侑美選手(2年)は、5キロすぎに前を行く愛教大の選手をとらえ、2位を死守した。名城大に少しでも追いつくのがチームの目標。譲れない順位だった。前日の4日は、一宮市代表として愛知駅伝に出場。「2日連続はきつかったけど、満足のいく走りができた」と振り返った。
■スーパー1年生 大会新 名大1区・鈴木亜由子選手
名大の鈴木亜由子選手(1年)が、大会新記録で1区を駆け抜けた。
10月の仙台・全日本女子学生駅伝では区間3位と、“スーパー1年生”ぶりを見せつけた。序盤は名城大Bの選手と競る展開。様子を見ながら、ラスト1キロでスパートした。後続の2人まで区間新に引き込むスピードだった。「練習での調子はよくなかったが、本番はまあまあ。区間賞の目標を果たせてうれしい」と笑顔だった。
■終盤に圧倒し連覇
中京大のアンカー、神谷泰光選手(修士1年)が両腕を広げ、笑顔で連覇のテープを切る。「やった」。待ち受けたチームメートの喜びが爆発した。
昨年の覇者も、今年は2月の名岐駅伝、11月の全日本大学駅伝と続けてライバル名大の後塵(こうじん)を拝した。雪辱を期す今大会。「絶対勝つ」とメンバー全員が気合を入れて臨んだ。
「4区までに差を広げ、6、7区で突き放すほぼプラン通りの勝利」。2区を走った山下洸(みなと)主将(4年)は冷静に振り返りつつ、「名大に勝ててほっとした」と笑みを浮かべた。
1区から保った首位の座を5区で失うが、6区で奪い返した後は、リードが広がるばかりだった。終わってみれば区間賞4人の完勝。来年の出雲全日本大学選抜駅伝の出場権も、きっちり獲得した。
川口孝志郎監督(56)は「狙い通りにいった。これでさらに自信がつく」。神谷選手も「この大会で勝ったチームが東海地区で最速。優勝を手中にできてうれしい」と誇らしげだった。
■名大A無念の3位 「心と体 作り直す」
優勝候補の名大Aが悔しい3位に終わった。アンカーの鈴木慎選手(修士1年)は「調子は良かった。なぜこの結果なのか分からない」と肩を落とした。
13秒差の2位でたすきを受けた。「優勝は射程圏と思ったが、追いつけなかった」。6月の全日本大学駅伝東海地区選考会では、中京大を破って優勝。重圧が選手たちの見えない敵になっていたのかもしれない。
次は来年1月の名岐駅伝。「心も体も作り直したい」と新たな目標に目を向けた。
■沿道からの声援 ランナー後押し
好天に恵まれた今大会。コース沿いの住民らが小旗を振って、選手に声援を送った。女子がゴールする南知多町豊浜の魚ひろば前では、近くで理容店を営む相川晴美さん(64)が「客が途切れたから」と急いで沿道へ。「学生たちの一生懸命な姿が見たくて」と、ゴールに飛び込むランナーに拍手を送った。毎年、ゴールを見に来る近所の主婦日比あさ子さん(65)も「頑張る姿にパワーをもらえる」と喜んだ。
(写真左)1位でゴールする中京大のアンカー神谷泰光選手=半田運動公園陸上競技場で
(写真右)人さし指を空に向かって立てながら1位でゴールする名城大Aのアンカー八木絵里選手=南知多町で
(2010年12月6日 中日新聞朝刊18面より)