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愛知大のボランティア団体 制作 夢追うタイの子の姿 絵本に

制作した絵本と焼き菓子を手に活動報告する(左から)作画を担当した加藤さん、愛知大の大川さん、太田さん、小嶋さん=中日新聞社で
■親と死別など 50人暮らす寮 題材に
カサロンの家は2005年に現地のキリスト教系財団と名古屋市のNGOが協力して設立した。小学生から高校生くらいの約50人が共同生活をしている。愛知大は18年から学生がボランティアで交流に訪れている。活動を来訪する際の一時的なものにしたくないという学生が24年に愛LANDを立ち上げ、今年からは大学の公認団体となった。
代表の国際コミュニケーション学部2年、大川聖奈(せな)さん(20)は寮の子どもたちに対して「親がいなくてかわいそう」という先入観があった。今年2、3月に現地へ行くと「子どもたちは自分たちで洗濯や料理をしながら元気に暮らし、夢も持っていた」。その姿を格好良く思ったという。この経験を日本で伝えたいと考え、有志14人で絵本作りに乗り出した。
団体の中に作画ができるメンバーがいなかったため、市内で障害者らのアート活動の支援に取り組むNPO法人ポパイに協力を仰いだ。法人運営の障害者福祉サービスを利用する加藤夕貴さん(32)らが絵を担当し、学生らは夢を探すために寮へ入った少女の物語を創作した。
8月に完成した絵本のタイトルは「カサロンがくれた夢」。加藤さんは主人公の少女ダーオらをモデルとなる写真を基に丁寧に描いた。筋書きは創作だが、作中に登場する「ミュージシャンになりたい」「俺は看護師!」といった子どもたちの言葉は、現地の子どもたちとの交流で学生らが知ったものという。
絵本は豊橋市や岐阜県下呂市など県内外の自治体に贈っており、小学校などの図書室に置かれる。今後寄贈先を増やしたい考え。大川さんは「私たちも夢を持っていいんだと勇気づけられた」。絵本制作チームの代表で経営学部2年、小嶋華音(かのん)さん(20)は「伝えたかった思いが形になった」と喜んだ。
愛LANDは継続的に寮を支援するために、ポパイ運営の食品製造を手がける事業所と焼き菓子を開発し、売り上げの一部を寄付する仕組みも整えた。これまでに名古屋市内外のイベントで販売している。食品開発チームの代表で経営学部2年の太田陽月(ひづき)さん(20)は「お菓子を買ってもらえれば、支援を続けていける。新商品の開発にも取り組みたい」と話す。
(2026年10月30日 中日新聞朝刊県内版より)
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