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お知らせ  2025.11.18

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愛知大・豊橋キャンパスと東三河県庁 地域歩き 政策探る 連携講座

実際に工事中の設楽ダムを見学する学生ら=設楽町で

実際に工事中の設楽ダムを見学する学生ら=設楽町で

■県業務 学生が知る入り口に

 愛知大が東三河県庁と連携し、地域課題の把握から政策立案までを一貫して実践する初めての講座を豊橋キャンパス(豊橋市町畑町)で開講している。学生にとっては地域の課題が的確に学べ、県側は学生に実務を知ってもらうことで職員のなり手としての期待をかける。(後藤優)

 「設楽ダムってこんなに大きいんだ」。10月中旬に設楽町の設楽ダム建設現場で開かれた連携講座のフィールドワーク。普段は立ち入れない建設中のダムを前に、ヘルメット姿の学生らは写真を撮ったり、職員にダムの大きさや貯水量をたずねたりしていた。

 ダムを見たのは初めてという地域政策学部3年の山口加奈さん(21)は「設楽ダムは多くの人の手を借りて作られている。ここから新たな交流につながっていくのかなと思った」と話した。

 学生たちは、したら保健福祉センターの一角にあるダム展示室も訪れ、豊川流域の地図や3D模型を見ながらダムについて解説を受けた。国土交通省設楽ダム工事事務所の担当者は、豊川流域が受けてきた洪水被害や渇水の歴史、農業用水などの需要の高さを説明した上で、ダム建設により水没地域に住んでいた人や道路の移転が進められてきたことも説明。町役場の担当者は、ダムを生かしたアウトドアイベントを開催することで地域振興につなげていることを伝えた。

 講座は秋学期から始まり全15回だ。学部や学年を問わず集まった学生らが設楽ダムのほか「外国人との共生」「渥美半島の農業」「三河港の開発」の4グループに分かれ、各テーマに精通した講師から学ぶ。若手の県職員もメンター(助言者)として学生らに伴走。来年1月14日には同キャンパスでの成果発表会を予定している。初開講ながら、20人の定員に対して2倍の応募があったという。

 県庁の仕事を知るために受講を決めたという地域政策学部1年の河合翔哉さん(19)は「デスクワークが中心だと思っていたが、住民の人たちと直接話す機会が多く、イメージが変わった」と話した。

 メンターとして参加した県豊川水系対策本部事務局の藤井翔太さん(25)は「自分の仕事を知ってもらえるのはうれしい。学生たちから聞いた声を実際の現場でも生かしていきたい」とよろこんでいた。

(2025年11月18日 中日新聞朝刊東三河版より)
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