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イベント  2025.11.13

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コロナ禍最前線 藤田医大で回顧 映画「フロントライン」に登場

映画「フロントライン」について話す(右から)土井さん、岩田さん、小栗さん、阿南さんら=豊明市の藤田医科大で

映画「フロントライン」について話す(右から)土井さん、岩田さん、小栗さん、阿南さんら=豊明市の藤田医科大で

■主演・小栗さん招き講演会

 新型コロナウイルスの集団感染に対応した医療従事者らの姿を描いた映画「フロントライン」で主演した俳優の小栗旬さんらを招いた講演会が10日、豊明市の藤田医科大であった。2020年2月に集団感染が起きた大型客船ダイヤモンド・プリンセスの乗客らを受け入れたのが同大岡崎医療センター(岡崎市)で、映画でも登場。小栗さんは当時患者の受け入れに当たった医師らとともに、混乱した当時の医療現場や撮影の裏側を振り返った。(大野沙羅)

 映画では、未知のウイルスに立ち向かい、船に乗り込んだ災害派遣医療チーム(DMAT)の動きを中心に、乗員や乗客が船から同センターに送り届けられるまでの経過を追った。実話に基づいた作品で、小栗さんら4人が主演している。

 同センターが実名で登場するのは映画のクライマックス。当時、4月に開院を控えていたが国からの要請に応えて128人を受け入れ、二次感染者を出さずに退所させた。同大は医師のインタビューや資料提供などで制作に協力したという。

 映画の上映会の後に開かれた講演会では、小栗さんが演じた役のモデルとなったDMATのリーダー、神奈川県立病院機構の阿南英明理事長が登壇。小栗さんが「脚本をもらって、やらなければならない映画だと思った」とオファーを受けた理由を説明すると、阿南理事長は「入院患者さんをどこにお願いすればいいのかという時に藤田医科大がすごい数を受け入れてくれて、もう涙が出るほどうれしくて」と感謝を伝えた。

 同センターで乗員や乗客を受け入れた藤田医科大の岩田充永教授(救急医学・総合内科学)、土井洋平教授(微生物学・感染症科)も登壇し、岩田教授は「本当に仲間でやったことが役に立ったんだと思えた」と笑顔。土井教授は「非常に大きな経験と自信になった。社会貢献に向けての動きを真剣に考えていこうという契機になった」と振り返った。

(2025年11月13日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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