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学生活動  2025.05.23

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応急手当ての普及 学生が担う 鈴鹿医療科学大サークル 幼稚園教諭に講習会

教諭たちにエピペンの使い方を教える学生ら=鈴鹿市のさくら幼稚園で

教諭たちにエピペンの使い方を教える学生ら=鈴鹿市のさくら幼稚園で

 有事の際に命を救うことにつながる応急手当て方法の普及に、鈴鹿医療科学大(鈴鹿市)の救急救命学科の学生たちが取り組んでいる。学生たちは自らの技術を高めるのはもちろん、活動を通じて、専門的な知識がない人への伝え方についても学びを深めている。今月中旬、初めての講習会を市内で開いた。

 学生たちは、サークル「鈴鹿P-BET(ピーベット)」のメンバーで、昨年立ち上がった。サークル名は「Pediatric Basic Life Support-Educational Team(小児一次救命処置の教育チーム)」の略語。全国各地で起きていた、保育施設や学校で食べ物を詰まらせて子どもが死亡する事故などを防ごうと発足した。

 扱うのは、食べ物を喉に詰まらせた際に異物を除去するための背部叩打や腹部突き上げの方法や、アレルギー反応によるアナフィラキシーを発症した場合に使う自己注射薬エピペンの打ち方など。座学ではなく参加者が実際に体験することが前提で、講習会の構成や資料は学生たちが事前に考えて用意し、当日の講師も担う。

 サークル発足から初めての講習会となった14日、鈴鹿市鈴鹿ハイツ5のさくら幼稚園で約20人の教諭たちを前に、2年生の学生6人が緊張した表情で登壇。異物除去の対応やエピペンの使い方などを、実演しながら解説した。

 リーダーの水谷日向子さん(19)は「専門知識がない人の視点が分かった。応急手当てで救える命があると思うので、もっと活動していきたい」と話した。後藤明子園長は「知識はあるが、いざという時のために何回も練習しておくことが大切だと思う。内容的にもとてもありがたい」と感謝した。

 学生たちによる講習会は、保育所などのほか福祉施設などでも想定している。希望者は同大救急救命学科の神蔵貴久教授=電059(340)0765=まで。(清水悠莉子)

(2025年5月23日 中日新聞朝刊中勢版より)
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