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お知らせ  2024.11.21

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デジタル人材 企業と育てる 皇学館大・現代日本社会学部 ITコンサルと連携協定

新田教授(右)の指導を受けるゼミの学生たち=伊勢市の皇学館大で

新田教授(右)の指導を受けるゼミの学生たち=伊勢市の皇学館大で

■先端技術学び地域貢献へ

 IT化が進み、デジタル人材が幅広い業界で求められる中、皇学館大(伊勢市)の現代日本社会学部が、ITコンサルティング会社と連携した人材育成に力を入れている。理系の分野というイメージを持たれがちな「デジタル」。企業の力を借りることで、文系学部でありながら、先端技術の活用で地域貢献できる人材を輩出したい考えだ。(清水大輔)

 現代日本社会学部とコンサル会社「フォーバル」(東京)は昨年2月、人材育成に向けた包括連携協定を締結。協定に基づき、社員による授業や学生のインターン受け入れなどで、先端技術を活用した企業の業務改善「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への知識を深める。

 新田均教授のゼミでは、学生たちが地域課題の解決に向けた事業立案を学ぶ。9月にはゼミの3、4年生7人が中心となり、地元企業を対象にした「DXセミナー」を市内で開いた。50社の担当者が参加し、フォーバルにDXのメリットや最新の事例などを紹介してもらった。

 学生たちが主に担ったのは、市内約3千の企業や事業所に電話して来場を促す「テレアポ」。普段は「LINE(ライン)」などでのやりとりが主で電話が不慣れという学生が多い中、1人で1日に数百件電話することも。4年の須藤旭さん(21)は「相手の企業について調べてから電話するなど工夫した分、アポが取れた喜びは大きい。言葉遣いの勉強にもなった」と振り返る。

 新田教授によると、企業には社会で通用する一般常識や専門知識を持った人材を早い段階で育成する狙いがあり、大学側には「地域に役立つ学生を育てたい」という理想がある。システムの開発は理系分野の仕事だが、社会でその技術を応用するには「文系的なデジタル人材も必要」と強調する。

 新田教授は「少子化で学生が減る中、大学と地元企業は一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係にあると言える。外部の企業と一緒に学生を育てれば、大学も企業も発展する好循環が生まれる」と語る。フォーバルの斎藤勲・中部支社長は「目的は地方創生。学生たちには即戦力のデジタル人材として、卒業後に地元企業に役立ってほしい」と期待した。

 これまでにゼミでは、明和町で同様のセミナーを開いたり、地元企業からの依頼で学生を対象にした需要調査を協力して実施したりもした。4年の菜種淳生さん(21)は「将来は大学で学んだことを地域のために生かしたい」と意気込む。須藤さんと共に来春、フォーバルに入社する予定という。

(2024年11月21日 中日新聞朝刊伊勢志摩版より)

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