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中日新聞掲載の大学記事

イベント  2023.08.09

名大で模擬裁判 高校生と裁判官 判決話し合う

評議で判決の内容について話し合う高校生ら=名古屋市千種区の名古屋大で

評議で判決の内容について話し合う高校生ら=名古屋市千種区の名古屋大で

 若者の裁判員制度への関心を高めようと、架空の事件を題材にした模擬裁判が7日、名古屋市千種区の名古屋大であった。同日のオープンキャンパスに訪れた高校生ら約900人の前で、8人の高校生が裁判員となって、現役の裁判官と判決の内容を話し合った。

 成人年齢を引き下げる民法と少年法の改正に伴い、今年から18歳以上が裁判員に選ばれることになり、刑事裁判について高校生たちに考えてもらおうと、同大法学部が企画。名古屋地裁、名古屋高検、県弁護士会が協力した。

■隣人刺した被告 殺意の有無は?

 模擬裁判で扱ったのは、アパートの隣人の物音に、いら立ちを募らせていた被告人の男が、罵声を浴びせられたことをきっかけに、果物ナイフで隣人を刺殺しようとした殺人未遂事件。法学部の学生らが弁護士や検察官役を演じ、冒頭陳述や被告人質問など、実際の裁判の流れを説明した。

 争点となった殺意の有無について、判決を決める評議に臨んだ高校生からは「『小さいナイフだから殺意がない』というのはおかしい」と殺意を認める発言があった一方で、「最初から殺意があったなら、部屋に入ってすぐ刺しているはず」と疑問視する意見も出た。

 評議を見守った名古屋地裁の吉田智宏裁判官は「裁判はあらかじめ正解が決まっているわけではなく、何が真実か、双方が努力を尽くして主張を戦わせる場。志の高い若い人が法律家を目指してほしい」と話した。 (土屋晴康)

(2023年8月9日 中日新聞朝刊県内版より)

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