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学生活動  2023.01.17

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笠寺寄席 席亭は大学生 愛大の丹羽さん 「地域の人笑顔に」授業の合間縫い準備

大学生の傍ら笠寺寄席の席亭を務める丹羽さん=南区笠寺町の西方院で

大学生の傍ら笠寺寄席の席亭を務める丹羽さん=南区笠寺町の西方院で

 南区で地元の人らに親しまれてきた「笠寺寄席」の責任者「席亭」に、大学生が就任し、落語の魅力を伝えている。愛知大2年の丹羽裕亮さん(20)=弥富市。地域の人を笑顔にしたいと、授業の合間を縫って寄席のスケジュールやチケットの販売などを準備。「若い人にも落語を身近に感じてもらいたい」と思いを語る。 (坂本圭佑)

 笠寺寄席は2008年に町おこしの一環で始まり、笠寺観音に近い西方院を中心に不定期で開催。これまでに47回の公演があり、今月28日には第48回が予定されている。プロの落語家だけでなく、アマチュアや大学の落語研究会(落研)からも出演してきた。

 丹羽さんには21年の年末、寄席や地元のまちづくりに関わる伯父から、先代が辞めるため、席亭を引き継いでほしいと声がかかった。落語家を目指す女性を描いたNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」を幼少期に見た影響で、大阪まで鑑賞しに行くほどの落語好き。伯父の誘いを快諾し、昨年4月に3代目の席亭として初めて寄席を手がけた。

 「お金をもらい、芸を見せることへの責任はあるが、やりがいはある」。大学の授業と並行し、寄席のスケジュール設定や、出演者の依頼、会場の確保といった席亭の仕事をこなす。過去の席亭2人からアドバイスや手助けをもらいつつ、当日も会場設営や観客への対応に当たる。

 「落語家一人でいろんな登場人物を演じるため、客も想像が必要。会場で一緒に話を作り上げるのが面白い」。そんな落語の魅力を、若い人たちにも伝えたいと意識する。落研の学生に積極的に出演してもらうのは、同世代に落語を身近に感じてもらう仕掛けだ。コロナ禍で落語を披露する機会が減った学生たちにも感謝されているという。さらに認知度を高めるために、図書館などへのチラシ配布にも余念がない。

 今後は寄席の開催頻度も2カ月に1回程度に増やし、多くの人に楽しんでもらえるようにするのが目標。大学卒業後の進路次第で、席亭を続けていけるかどうかという問題もあるが、「お客さんが落語を見て笑った顔を見ると安心する。もっと地域に密着した寄席にし、世代を超えて地域の人が交流できる場所にしていきたい」と意気込んでいる。

 第48回の笠寺寄席は28日午後2時から、南区笠寺町の西方院で。プロの落語家の登龍亭獅鉄さん、桂鷹治さんが出演する。料金は予約2000円、当日3000円。申し込みは、メールアドレス=nagoya1992@outlook.jp=へ、名前や人数、電話番号を伝える。

(2023年1月17日 中日新聞朝刊市民版より)

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