１位でゴールする名城大アンカーの谷本七星。５大会連続５度目の優勝を果たした＝富士総合運動公園陸上競技場で

　全日本大学女子選抜駅伝は３０日、静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社前から富士総合運動公園陸上競技場までの７区間、４３．４キロで争われ、名城大が２時間２１分５６秒で５大会連続５度目の優勝を果たした。史上初の６連覇を達成した１０月の全日本大学女子駅伝と合わせ、５年連続の２冠。

　１区の柳楽あずみでトップに立つと、３区の米沢奈々香が区間新記録、５区の山本有真らが区間賞の走りで圧勝した。３分１１秒差の２位は大阪学院大で、日体大が３位。注目選手の不破聖衣来が欠場した拓大は９位だった。

■１年生快走　たすき次世代に

　２年生アンカーの谷本が右手を広げてフィニッシュテープを切る。５連覇で、全日本大学女子との２冠も５年連続で達成した名城大。もっとも、ただ勝つだけなら、米田監督がここまで満面の笑みを浮かべることはなかっただろう。「１～３区に配置した１年生が役割を果たしてくれた。最高の形で２０２２年を締めくくれた」と、若き３人をたたえた。

　１区の柳楽が、残り約１キロからの下り坂で仕掛けて抜け出すと、続く石松が踏ん張った。一時は２位に約３秒差に迫られたが「絶対に離してやる。次の走者に１秒でも早く渡せるように」と、下りが平たんになったところで、ギアを上げて突き放す。３区の米沢は区間新記録の快走で、この時点で２位に４３秒差。ライバルにレベルの違いを見せつけた。

　４年生の大黒柱、山本と小林の２人を後半の５、６区に並べていたが、３人の想定を超える走りもあってその前に独走状態になった。２年前のこの大会の２区から、これで全日本大学女子も含めると３２区間連続でトップ通過。米田監督は、区間３位ながら前を譲らなかった石松を「うちのプライドを守ってくれた」と評価した。

　前日、バスでの移動中に１年生３人が、冗談交じりに宣言していた。「私たちでやりますから」。４年生が抜けても、頼もしい後輩たちがいる。連覇はしばらく途絶えそうにない。（山内晴信）

（2022年12月31日　中日新聞朝刊19面より）