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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2022.08.26

超小型衛星 名大が開発 エンジンなくても軌道制御が可能 10月打ち上げ

横倒しの状態で最終調整が行われている超小型衛星「MAGNARO」=26日午前、名古屋市千種区の名古屋大で(高岡辰伍撮影)

横倒しの状態で最終調整が行われている超小型衛星「MAGNARO」=26日午前、名古屋市千種区の名古屋大で(高岡辰伍撮影)

 名古屋大の研究グループは、宇宙空間でエンジンを使わずに軌道を制御し、編隊飛行できる超小型衛星「MAGNARO(マグナロ)」を開発し、26日、名大東山キャンパス(名古屋市千種区)で報道陣に公開した。10月に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付(きもつき)町)から小型のイプシロンロケットで打ち上げられる予定。

 超小型衛星は、複数で編隊飛行させて地上を観測するなど、大きな衛星とは異なる活用方法が期待されている。だが、衛星同士の位置関係を調整するためのエンジンや燃料を積むのは、スペースの制約から難しかった。

 MAGNAROの開発では、地球の磁場や宇宙空間にわずかにある空気の分子の抵抗を利用して軌道修正する方法を採用。今回の打ち上げでうまく制御できるかどうかを確かめる。MAGNAROは幅と奥行きが各10センチ、高さ34センチで重さ4・4キロ。打ち上げ後に分離し、2機で編隊飛行する計画だ。

 研究チームの稲守孝哉准教授(宇宙工学)は「小さくて使いやすい衛星の新たな制御方法により、宇宙がより身近になるようにしたい」と話した。 (今井智文)

(2022年8月26日 中日新聞夕刊1面より)

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