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学生活動  2022.03.11

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学生ラジオで伝える東北 金城学院大ゼミ

震災特番を制作した学生ら=守山区の金城学院大で

震災特番を制作した学生ら=守山区の金城学院大で

■きょう一宮のFM「自分事として捉えて」

 東日本大震災から11年となる11日、金城学院大(守山区)の学生による震災特別番組が、一宮市のコミュニティーラジオ局「FMいちのみや」で放送される。被災者へのインタビューや現地を訪れて感じたことで構成。番組を通じ「震災を人ごとではなく、自分事として捉え、未来につなげてほしい」と呼び掛ける。 (下條大樹)

 同大国際情報学部の磯野正典教授のゼミに所属し、東日本大震災を研究する4年生4人と、3年生3人が学年ごとに番組を制作した。学生らは同局でレギュラー番組を担当しており、今回は特番を企画。取材、台本作り、収録、編集などは全て自分たちで行った。

 4年生の番組は「結(つなぐ)~福島から未来へ~」で、午前11時~正午と午後6~7時にあり、「音楽」「防災」「魅力」がキーワード。震災時に音楽で支援した愛知県民2人のエピソードを紹介し、飲食料品を用意すべき日数や、人が1日に摂取する水の量などのクイズを出す。普段から車のガソリンを多めに入れておくことや、キャッシュレス決済が進む中でも現金を用意しておくことなども勧める。

 4年生は昨年夏に被災地を訪れる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で断念し、被災者にはオンラインで取材した。長坂梨央さん(22)は「表現の仕方に苦労したが、良い番組にできた」と話す。

 3年生は番組「住民が望む真の復興」を、午前10時~10時半と午後3時半~4時に放送。西山みづきさん(21)と佐藤舞依さん(21)が昨年11月、宮城県を訪れ、被災者ら20人に話を聞き、テーマを「地域コミュニティーの現状と課題」と定めた。

 1年生の時にも同県を訪れた2人は、2年たち、道路や建物が整備され、まちが大きく変わったと感じた。一方、住民からは、震災前と異なる風景に複雑な思いがあることも聞いた。宮城復興局に取材をした上で「行政が目指しているのは、復興ではなく『復旧』で、住民が望む真の復興には至っていないのでは」と考察する。

 2人は現地を訪れる前、感染のリスクから、地元の人に嫌がられるのではと心配していた。だが、逆に「コロナ禍でも被災地について知りたいと思っていることは、むしろうれしい」とよく言われた。佐藤さんは「今だからこその課題があると、現地を訪れて分かった」と話す。

 FMいちのみやの周波数は76.5メガヘルツ。インターネットでも聴ける。

(2022年3月11日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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